四川省の成都鉄道駅近くにあるマクドナルドの蒲紅芳マネージャーは11日、「現在店内で、無料で提供している2種類のソースのうち、唐辛子とニンニク入りの辛味ソースの評判は、辛くない甘辛ソースに比べても決して引けを取らない。この2日間に来店した客の中に、成都では販売したことのない『四川風味辛みそ』について質問してきた人がいた」と話した。蒲マネージャーは、十数年前に米国市場に入ったこのソースの人気が急上昇していることに戸惑いを隠せない様子だった。中国新聞網が伝えた。
マクドナルドで食事をするために列に並んでいた、成都に住む王楠さんは、米国の人気アニメ「リック・アンド・モーティ」が、このソースのPRに大いに貢献したと語る。アニメファンの好奇心を刺激した以外にも、昔を思い出し、懐かしむという感情も、人々が「四川風味辛みそ」に殺到した原因の一つだと王さんは分析している。
西南財経大学西財智庫(シンクタンク)の尹響・副研究員は、「米国では最近、『四川料理ブーム』が沸き起こっている。ニューヨークの『老四川』やシカゴの『大喜』などの四川料理店は、商売が極めて好調だ。米国の多くの家庭の冷蔵庫には、『老干■(■は女へんに馬、ラー油)』が入っている。『四川風味辛みそ』の大ヒットは、四川料理ブームの一つの表われであり、四川料理に関する各業界企業は、この絶好のチャンスを捉えて、『海外進出』を企んでいる」と話した。
成都市にある飲料企業の胡家鳳・董事長は、次のような見方を示した。
「『四川風味辛みそ』が米国で人気を博したことで、四川料理に使われる調味料の国際的影響力が高まった。弊社傘下の陳麻婆豆腐、鐘水餃、頼湯圓が海外に進出した際、これらの四川料理の調味料も一緒に海外進出を果たし、米国、日本、シンガポールなどで販売されることになった」。
「『四川風味辛みそ』の人気は、アニメやテレビドラマの力を借りて四川料理の調味料を普及するという新しいアイディアを我々にもたらしてくれた。陳麻婆豆腐を日本市場で展開するために、同店の料理伝承者を日本の料理界に派遣した。現在、毎月コンテナ1箱分の陳麻婆豆腐用調味料を日本に輸出して販売している。この調味料の日本のオンラインショップでの販売価格は、一度は300元(約5千円)近くに高騰し、調味料の世界では『ぜいたく品』となった」。
西南財経大学工商管理学院の王▲(▲はしめすへんに韋)教授は、「四川料理の調味料メーカーが単独で戦うことにはあまり意味がない。大きな船で出航し、大型食品メーカーや飲食メーカーのブランド力を借り、四川料理の調味料の全体的な独自性を形成する必要がある。『四川風味辛みそ』は、マクドナルドで大成功したケースとなった。四川料理の調味料メーカーは、このケースをお手本に、勢いに乗じてどのようなマーケティング活動を行うかについて、大いに検討すべきだ」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年10月13日
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