中国と日本の漆芸家約20人が10月28日、福建省福州市で集い、「現代の東洋の漆文化の比較と展望」をめぐって意見を交わした。中国新聞網が報じた。
長い歴史を誇る漆文化は、秦・漢の時代に始まり、明・清の時代にピークを迎えた中国伝統の特殊な工芸の宝庫だ。西漢時代に、中国の漆文化は朝鮮半島から日本へ伝わった。
東京芸術大学美術学部漆芸科の大西長利名誉教授によると、中国と日本は共通の漆文化を有し、日中の国交が正常化したここ数十年間、日中漆工芸交流は日に日に盛んになっている。そして、東洋の漆文化の発展を強く促進している。「両国のアーティストが引き続き交流、連携を深化させ、手を取り合って共に東洋の漆文化を全世界で発展させ、両国の友好関係が一層発展することを望んでいる」と大西教授。
今回の活動では、大西教授は福州市で、日本の重要な漆工芸技法の一つである蒔絵(まきえ)を伝える授業を行う。蒔絵は、漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させる技法だ。
福州市漆芸術研究院の阮界望・副院長は、「漆塗りを施す漆文化は数千年の歴史を誇り、東洋の民族の造物精神や美学思想にそれが詰まっている。人類の思想を豊富にした宝庫でもある。現在、中国では、伝統文化の振興や発展に対する注目が日に日に高まっており、漆文化を生活に回帰させ、漆文化が生活に溶け込むよう励んでいる」と語る。
そして、「中日のアーティストの交流や連携は、現代アジアの漆文化の発展を促進し、互いに比較し合うことで、互いの現代漆工芸の過去と現在、未来を深く理解し、東洋の漆文化を継承し、発揚することにつながるだろう」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年11月3日
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