東芝はテレビ事業などを担う東芝映像ソリューション(TVS)を中国の家電大手・海信(ハイセンス)に譲渡することを14日に発表し、これまで囁かれていた買収のうわさが真実であることが確認された。ハイセンスのTVS買収は中国の製造業が世界のミドルレンジ・ハイエンドブランドにおいて台頭している縮図にすぎない。現在、ソニー、パナソニックを除く、「メードインジャパン」を武器にする日本ブランドの家電業務の多くが中国企業によって買収・運営されるようになっている。そして、日本ブランドのロゴを掲げるだけの正真正銘の中国商品となっている。中国新聞網が報じた。
公表されている資料をまとめると、2015年12月、中国の創維(スカイワース)が東芝のテレビと二槽式洗濯機の製造拠点であるインドネシア社を買収した。また、16年3月に、美的が東芝の白物家電事業の株式80.1%を買収した。15年、長虹が中国での三洋ブランドのテレビ事業を買収した。12年には、海爾(ハイアール)が三洋ブランドの白物家電事業を買収した。11年、家電量販大手・蘇寧は三菱重工のエアコンの中国におけるブランド運営権を買収した。14年、TCLは三洋電機がメキシコに持つ液晶テレビ工場と工場運営会社の株式90%を買収した。16年に鴻海がシャープを買収する前、ハイセンスはシャープの北米でのテレビ事業やライセンス利用権などを買収していた。
サイト・電科技の徐建文最高経営責任者(CEO)は、「短期的に見て、ソニーがテレビ事業を売却する可能性はない。パナソニックのテレビ事業はすでに中国から撤退した。その他の中国での事業は正常で、テレビ事業を売却することは考えにくい。パナソニックの他の事業は順調で、一部を売却する段階にはない」との見方を示している。
しかし、家電業界関係者は、現在の業界の発展動向からして、中国企業は今後もさらに多くの日本ブランドを手に入れていくだろうと予想している。
中国の電子視像業界協会の彭健鋒・副秘書長は、「ブランドのグローバル化は、民族、文化、言語、制度が異なる数十ヶ国でビジネスを行うということ。現地の消費者に認知してもらい、信頼して買ってもらうまでには非常に長い道のりがある。中国の製造業の多くはブランド集中度が低く、各ブランドが単独でグローバル化を図っても成功するのは難しい。日系ブランドが大衆消費電子製品の分野から撤退しているのを機に、そのブランド資産や特許資産を買収すれば、他のブランドを一気に追い抜く機会にできる」との見方を示している。
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