米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)は13日、さらに厳格化された高血圧管理ガイドラインの新版を共同で発表した。新基準では、最高血圧130 mmHg以上、最低血圧80 mmHg以上の場合、「高血圧症」と診断される。新華網や中国新聞網が報じた。
この新基準によれば、米国人の約半数が高血圧症の患者となる。
血圧には、「収縮期血圧(最高血圧)」と「拡張期血圧(最低血圧)」の2種類がある。2003年に発表された米国高血圧ガイドラインでは、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合を「高血圧」と定義していたが、今回の新ガイドラインでは、この指標が引き下げられた。鍵となる指標が変わったことから、米国の高血圧症患者は、従来推測されていた7200万人から1億300万人に増えることになり、この数は全米総人口の46%を占める。
新版ガイドブックでは、理想とする正常血圧の数値をめぐる調整は行われず、「最高血圧120mmHg、最低血圧80mmHg」のままとなっている。
〇中国の高血圧予防治療策に対する米国の基準調整による影響は少ない
政府公式データからの最新推計によると、中国の高血圧症患者は、現在2億7千万人に上る。脳卒中・冠状動脈性硬化症・心臓衰弱・腎臓病など、高血圧が原因となって発症した重大疾病による後遺症発症率と致死率はかなり高く、中国の家庭・社会にとって重大な負担となっている。
米国が高血圧基準を調整したことについて、国家基本公共衛生サービスプロジェクト基層高血圧管理弁公室の主任を務める中国医学科学院阜外医院の蒋立新・副院長は、「必要以上に怖がる必要はない」との見方を示し、次の通り分析した。
「中国における高血圧予防・治療の厳格度と重点ポイントは現時点で、米国とは明らかに異なっている。米国の高血圧予防・治療の現状は、『さらに高いレベル』を求めるものだ。一方、中国では、全国規模で現在より高血圧有病率をどうやって引き下げるか、ということを当面の重点任務に据えている」。
華中科技大学同済医学院附属同済医院心臓血管内科の趙春霞・准教授は、「米国の新ガイドラインは、より前向きに治療に取り組むよう中国の高血圧患者を後押しする作用があるかもしれない。これまで、血圧140/90mmHgの人は、自分は正常範囲にあると認識していた。最高血圧が150mmHgを超えると、降圧剤を飲むのではなく、生活パターンを変える必要があると意識し始める」と指摘した。
〇高血圧予防・治療の具体的方法は?
高血圧の予防・治療のためには、具体的にどのような方法があるのだろうか?国家衛生・計画出産委員会が今月10日に発表した「国家基層高血圧予防・治療管理ガイドブック(2017)」は、高血圧予防・治療に関する知識を一般市民に普及するための指南書だ。
同ガイドブックは、「高血圧症」と確定診断を受けた患者に対して、「長期にわたり続けてきたライフスタイルを即刻改め、『健康的なライフスタイル6ヶ条:減塩・減量・運動・禁煙・減酒・平静心』を実践すべき」とアドバイスしている。
このうち、患者が減らすべき塩分量については、極めて具体的に記されている。つまり、1日の塩分摂取量を6グラム(小さじ一杯)未満とし、漬物、コンソメ、醤油などからの「隠れた塩分摂取」に注意しなければならない。
減量については、ウエストを男性は90㎝未満、女性85㎝未満まで落とさなければならない。また、毎週5回から7回、1回につき30分間、中程度の強さの運動をする必要がある。
減酒に関しては、1日の飲酒量を白酒なら50ml、ワインなら100ml、ビールなら250mlより少なくすることが良いとされている。女性は男性の半分の量にとどめる。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年11月16日
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