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豪華キャストでもないドラマ「相棒」が17年も人気を保っている秘訣は?

人民網日本語版 2017年12月14日15:47

毎年冬に放送される日本ドラマ「相棒」の新シーズンを楽しみにしているという人も多いだろう。これは、多くの日本ドラマファンのお決まりの「冬の過ごし方」だ。「相棒」は、警視庁内の窓際部署「特命係」に所属している杉下右京が、相棒と共に推理力を駆使して難事件を解決する刑事ドラマだ。中国新聞網が報じた。

相棒は、2000年6月から2001年11月まで土曜ワイド劇場枠で単発の2時間ドラマとして3回放送され、02年10月から連続ドラマ化された。そして、視聴率はずっとトップ3に入るほどの爆発的人気となったため、劇場版も5作制作され、大ヒットした。多くの日本ドラマファンは、「相棒は21世紀の日本の国民的ドラマ」と評価している。

現在、日本ドラマの視聴率は全体的に見ると低迷しており、シーズン16を迎えた今年の「相棒」は20%超えは記録していないものの、第1話は15.9%と、シーズン15の第1話を上回るなど、依然として高視聴率を保っている。

「相棒」が17年間にわたりずっと人気を保ってきた秘訣は何なのだろう?

ドラマ解説者の木村隆志さんは、「脚本がおもしろいのが主な理由」と分析している。これは、ほとんどの「相棒」ファンも納得の理由だろう。「相棒」には強力な脚本チームがあり、シーズン1に3人だったそのメンバーは、シーズン4では10人になり、現在は起用された脚本家が延べ30人を超えている。脚本チームは、「一部の脚本家に頼らない」、「渾身のエピソードだけを厳選する」という方針を貫いているため、脚本家は仲間である以上にライバル関係となり、切磋琢磨することで、新たな道筋、新たなテーマが生まれる。そして、期限内に面白い脚本を書き下ろし、提出しなければならない。このようにして、視聴者は毎シーズン、犯人の犯行手段も違えば、事件解決への道筋も異なる、さまざまな味わいのある「相棒」のストーリーを楽しむことができるのだ。

長寿ドラマの「相棒」の脚本の大きな特色の一つは「時代性」だ。奇をてらったストーリーで視聴者の目を引こうとすることは一切なく、社会推理派路線を黙々と歩み、時代の特色にマッチし、社会で話題になっている問題などを選んでそれをテーマにしている。

特に印象深かったストーリーには、ワーキングプアの青年が失業し、他殺に見せかけて自殺し、社会に仕返しをしようとしたストーリーや、若者が人目を引こうといたずら動画を制作したことが原因で、高齢者が亡くなる悲劇が起きてしまい、遺族らが復讐しようとするストーリー、悪者に圧力をかけられ八方ふさがりになった女性が殺人を犯し逃走しようとするものの、説得されて罪を償い、人生をやり直そうとするストーリーなどがある。どのストーリーもその時々の世相と密接に関係があり、ハッピーエンドであったとしても、悲しい結末であったとしても、見る人に何か悟りを与える内容となっている。その他、「相棒」は、青少年問題や高齢化社会、夫婦間のいざこざ、政界や警察内の闇などにもスポットを当てている。

「このストーリーは、少し前にあったニュースに似ているから、ストーリーに入って行きやすい。でも、『相棒』は、庶民の感覚とかけ離れた正義を発揚することはなく、法律を遵守し、人の感情も重視し、殺人の動機や心理的変化など、社会現象の背後にある原因に深く迫っている。一話を見終わるとそれで終わりというわけではなく、視聴者の頭の中にはそれが何度も浮かび上がり、その問題について話し合ったり、熟考したりすることができる」との声もある。


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