4年目となる南京大虐殺犠牲者国家追悼日を控えた11日、「世界記憶目録――南京大虐殺文書」と「ラーベの日記」 (影印本)などの新書が江蘇省会議センター黄埔ホールで初公開された。中国新聞出版広電報が伝えた。
江蘇省会議センター黄埔ホールは励志社大礼堂旧跡であり、日本人戦犯で南京大虐殺首謀者の谷寿夫が、南京軍事法廷の審判を受けた場所でもある。
ユネスコが2015年10月に「南京大虐殺文書」を世界記憶遺産に登録すると、中国の7部門は所蔵する南京大虐殺文書の大規模な整理を行った。国家档案局は今年関連部門を集め、計20巻からなる「南京大虐殺文書」の影印本を南京出版社から出版した。
この影印本には、中国側の被害者の血と涙の訴えから、日本側の加害者の記録、米英など第3国の関係者の記録などが含まれている。資料には紙の文書のほか、写真や映画フィルム、物品などがあり、その内容は相互に情報の裏付けを行い、補完されている。
国家档案局の李明華局長は11日の新書発表会で、「今年は南京大虐殺発生80周年。真実に則した、貴重な歴史文書を通じ、中国侵略日本軍が南京で犯した重大な罪を証明し、世界の人々に平和を尊んでほしい」と述べた。
ラーベの日記(影印本)は、ジョン・ラーベが1937年9月21日から1938年2月26日までの5ヶ月以上にわたり毎日南京で記した日記と収集した資料で、計6巻・8冊・2000ページ以上の内容となっている。ラーベはこれに「敵機が南京に飛来」という名をつけた。今年、中央档案館が所蔵する日記の原本が江蘇人民出版社から影印本として出版された。
新たに出版されたラーベの日記(影印本)には、ラーベの日記のほか、南京安全区国際委員会が日本大使館に宛てた60通以上の公式書簡、暴行に関する400通以上の報告書、ラーベが集めた日本軍の南京攻略と大虐殺に関する世界各国の新聞記事、ラーベが帰国後にドイツ政府に提出した南京陥落時の報告書と日本軍の暴行の写真が含まれている。
ジョン・ラーベの孫、独ハイデルベルク教授のトーマス・ラーベ氏は11日、新書発表会に出席した。白髪で、もうすぐ70歳となるトーマス・ラーベ氏はこれまでも祖父が人道支援を行った南京を何度も訪れている。彼は、中国人が毎年国家追悼式で南京大虐殺の犠牲者を追悼するのは、忘却してはならない歴史と、歴史の悲劇の再演を防ぐためだろうとの見方を示した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年12月15日
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