米国ウォール街の分析機関はこのほど、製品出荷量が予想を下回ったことを受けて、アップルの株式の投資判断を「バイ」(買い)から「ニュートラル」に引き下げた。株価も0.3%値下がりした。アップルにとって昨年12月19日に続く、2回目の引き下げだ。「科技日報」が伝えた。
1ヶ月も経たないうちに、判断がまた引き下げられたことは、「アップルらしくない」出来事だ。最近のアップルに関するニュースをじっくり振り返ると、ほとんど悪いニュースばかりだ。バッテリー問題、意図的減速の問題、携帯電話の売り上げが過去最低を更新……アップルの低迷を語ることは一連のメディアにとって「ポリティカルコレクトネス」になっており、「アップルはダメになった」などと言う人さえいる。
革新はこれまでのアップルで最も目を引く特徴だった。スマートフォンが大流行し始めた頃には、アップルに学ぶことが多くのスマホメーカーにとって「必修科目」だった。だが「iPhone5S」(アイフォーン5S)以降、アップルは私たちに喜びを与えてくれなくなった。続く「iPhone6」(アイフォーン6)、「iPhone7」(アイフォーン7)、「iPhone8」(アイフォーン8)、さらに熱い期待が寄せられた「iPhoneX」(アイフォーンテン)は、どれも「革新が足りない」と言われ、ネットユーザーから「代わり映えしない」などと厳しく指摘された。
一方で、中国製携帯電話が技術や営業販売戦略の面で絶えず新しさや変化を求めている。華為(ファーウェイ)と小米はチップの研究開発に着手し、独自の革新の達成に向けて重要な一歩を踏み出した。OVはオフラインルートの開拓に力を入れ、農村から都市へ拡大する戦略でトップブランドに成長した。
選択の多様化を前にして、消費はより理性的になっている。昨年に「アイフォーン8」が発売された時には、「アップルファン」の長い行列は出現せず、アップルストアの店先は閑散としていた。大手携帯電話ブランドの製品に機能で大差がなくなった今、消費者が価格の高い「アイフォーン」をわざわざ買うわけがない。
携帯電話だけではない。世界で素晴らしい業績を上げたアップルの決済サービス「アップルペイ」だが、中国では「ワーテルローの戦い」のような困難に直面している。中国決済サービス市場ではアップルがやって来るよりずっと前に、微信(WeChat)と支付宝(アリペイ)の両巨頭がそびえ立つ局面がすでに形成されており、アップルが設備量の多さをよりどころに攻撃をしかけようとしても、時すでに遅く、市場を揺り動かすことはできなかった。
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