エンジニアの李揚淵さんは、「ネット上の動画にあった、スマホの指紋認証ボタンにひびが入ったという点を手がかりとし、何度も実験を行い、指紋認証のロック解除のキーポイントが指紋認証ボタンのイラストにあることを発見した。簡単にいうと、スマホの指紋センサーが受け取る情報は登録者の完全な指紋ではないということ。そして指紋を識別する際、指紋情報の一部が一致するだけで指紋認証をクリアできるので、ボタンに指紋を付着させた解除用テープなどを使うだけで、誰の指紋でも同じように指紋認証をクリアすることができる。このような指紋認証機能の欠陥を利用することで、指紋が不要であるどころか、ミカンの皮1枚でロックを解除することができるというわけだ」と説明した。
清華大学自動化学部の馮建江准教授は、「初期の指紋識別技術は、警察の捜査における事件の真相解明などに使われていた。その原理は指の表面のいくつかの細かい特徴を照らし合わせるものだったが、この技術は現在スマホで採用されているものではない。スマホに搭載されたセンサーの読み取り部分の面積がとても小さいため、受け取る情報量が少なく、スマホの指紋認証によるロック解除は指紋イラストを利用しているだけと言っても過言ではない」との見方を示した。
しかし、専門家は、「このような欠陥は様々な分野の様々な製品にも存在しているが、スマホの指紋認証ボタンが損傷しておらず、指紋を付着させた解除用テープが使われていない限りは、正常に使用することができるので、過度に心配する必要はない。また、指紋認証を使用する前に、異物やシールなどが貼られていないかどうかを知るためにボタンをチェックすることが大事。こうすることで、他人によるロック解除のほとんどを防止することができる」とアドバイスしている。(編集YK)
「人民網日本語版」2018年1月30日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn