新しい年が始まり、国家外貨管理局はこのほど銀行カードを利用した海外での大口現金引き出しに関する通知「国家外貨管理局の銀行カードによる海外での大口現金引き出し取引の規範化に関する通知」を下達し、各方面の注目を集めている。春節(旧正月、今年は2月16日)の連休が近づいており、海外旅行に出かける計画がある人は、消費やショッピングの場面で現金が必要になるが、この通知の下達は、中国国民の海外での現金引き出しにどのような影響を与えるだろうか。
同通知の規定では、今年1月より、個人が中国国内の銀行カードによって海外で現金を引き出す場合、本人名義の銀行カード(付属カードを含む)による合計引出額が、1年度あたり10万元(約172万円)相当分を超えてはならないとされる。人民元建てのカード、外貨建てのカードにより海外で現金を引き出す場合、どちらもカード1枚あたり一日の限度額が1万元相当分に制限される。
2003年以降、銀行カードによる海外での現金引き出しには限度額管理が行われ、カード1枚あたり10万元を超えてはならないとされていた。違法に複数銀行の複数カードを保有して大量に現金を引き出し、犯罪活動に利用できないようにするため、今回の通知では、海外での現金引出の年間限度額を1人につき1年あたり10万元を超えてはならないとした。
▽10万元で足りるか?
統計によると、16年には国内の銀行カードによる海外での現金引き出しは3万元以下が81%だった。そこで今回は限度額を10万元とし、カード保有者の海外での一般的な現金引き出しニーズに対応できるようにし、またごく少数ではあるが犯罪者の違法な大口引出しを抑制するようにした。
▽海外でのカード消費に影響は?
同局関連部門の責任者によれば、この通知は個人の海外でのカード消費に影響はないという。現在、銀行カードは個人が海外に出かける時に最もよく利用する便利な決済ツールになっており、個人の海外旅行、ビジネス、留学における食事、宿泊、移動交通、ショッピングなどあらゆる経常項目の取引に利用されている。また個人の1年間の外貨購入限度額5万ドル(約544万円)には含まれないという。同通知によれは、銀行カードによる海外での大口現金引出を規範化することが主な狙いで、銀行カードをめぐる外貨管理の基本的枠組や個人の外貨利用の政策に変更を迫るものではなく、個人のカードによる海外消費に影響はないという。
注目される点は、同通知が、個人が国内銀行カードを使って海外で現金を引き出して年間の限度額を超えた場合は、その年と次の年は国内カードによる海外での引出ができなくなるとしたことだ。また個人が他人の銀行カードを借りる、あるいは自分の銀行カードを他人に貸して、規定を回避しようとしたり、規定の回避を助けたりすることもできない。業界関係者は、「個人が海外で現金を引き出す場合は、合理的に計画を立て、年間の限度額を超えて引き出さないように気をつけなければならない」と注意を促す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年1月29日
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