▽クリエイティブグッズが縮める故宮と人々との距離
人々との距離を縮めるため、故宮は近年、数多くのクリエイティブグッズを打ち出している。
従来のクリエイティブグッズはそのほとんどが文化財をコピーした商品で、買う人もほとんどいなかった。しかし現在は、「人々の生活に対するニーズやすきま時間の利用方法などを研究した上で、収蔵品の情報を深く掘り出し、情報をニーズと繋ぎ、それに基づいたクリエイティブグッズの開発に取り組んでいる」としている。
故宮には異なる分野のクリエイティブグッズ研究チームがあり、研究チームが新しい試みにを挑戦することを奨励している。単院長は、「月に数十、または百種類以上のクリエイティブグッズが市場で淘汰されている。また有名デザイナーと提携し、商品として販売を果たした場合は契約を結ぶこともある」としている。
現在までに故宮は480種類に及ぶスマホケースや充電器、子供向けのジグソーパズル、スーツケース、イヤホンといった様々なクリエイティブグッズを販売している。5年間の開発を経て、昨年年末までに、故宮のクリエイティブグッズは一万種類を突破し、一昨年の売上はすでに10億元(1元は約16.8円)を上回っている。
▽その売り上げはどこへ?
毎年の莫大な売り上げは何に使われているのか?その問いに対する単院長の答えは「子ども」だった。
商品は文化を伝える媒体に過ぎない。それより故宮がもっと関心を寄せているのが教育だ。学術研究だけでなく、学校やコミュニティー向けの教育にその売り上げが使われている。
単院長によると、故宮は多くの学校と提携して総合実践カリキュラムを研究しているといい、「現在は約40件のカリキュラムが各校の異なる学年の間で展開している。各カリキュラムでは学習カードと材料バッグが準備されており、子どもは先生の指導を受けながら、自分で組み合わせたり、切ったり描いたりすることで、身近に故宮の魅力を感じることができる」としている。
単院長は、「一昨年と昨年、故宮はそれぞれ2万5000回の教育イベントを実施した。子どもたちはビーズを繋げたり、皇帝の衣装である『龍袍』のデザインをしたり、拓本を作ったりし、そのイベントは毎回満員で空前の盛況となっている。これらのイベントはすべて無料。我々は売り上げの多くを子どもたちに投資している。なぜならこうしたイベントを通じて、中華文化を愛する世代を生み出すことができると信じているからだ」と述べた。(編集HQ)
「人民網日本語版」2018年3月31日
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