お墓に「QRコード」を付け、それをスキャンすると、故人の情報や写真を見ることができるというのは新鮮味あるニュースではなく、天津市や浙江省では数年前からそのようなお墓が登場していた。しかし、雲南省・昆明市の数ヶ所の墓地を取材し、お墓の下のQRコードをスキャンしてみると、驚くことに、故人の動画も見ることができることが分かった。QRコード付きお墓が昆明でも採用されるようになっているのだ。雲南網が報じた。
QRコードをスキャンしてお墓参り
石林福座獅山生態陵園のあるお墓は他のお墓と少し違い、左下の目立つ位置に5センチほどの「QRコード」がある。同園の職員は、「QRコードをスキャンすると、故人のプロフィールを見ることできる」と実演してくれた。個人のプロフィールのほか、写真、さらに動画も見ることができる。それらのプライベートな情報をこのように誰でも見ることができるようにするかは、もちろん遺族が決めることができる。同職員によると、「当園ではすでに多くの遺族がQRコードを作成し、スマート化された方法で故人の生前の情報を記録している」という。
多くのお墓にQRコードが付いているものの、実際にスキャンして故人の情報を見る人はほとんどいないようだ。母親のお墓参りに来たという張さんは、「興味もないし、他人の家の事を見る必要もない。QRコードというのは新鮮味があるし、現代人の生活の需要にもマッチしている。今後の世代にとって、教育的意義のある著名人や模範的だった人、烈士、軍人などなら、QRコードを作成するといいだろう。それらの人たちは生前に経済や社会の発展に大きな貢献をしたのだから。QRコードをスキャンしてそれらの人たちの経験を知るというのはいいことだが、一般人なら必要ないと思う」と話した。
QRコードをスキャンする方法を使えば、実際にお墓まで行かなくても「墓参り」ができるほか、位置情報も知ることができるため、広大な墓地ですぐに目的のお墓を見つけることができる。
ただ、お墓の「スマート化」には、賛否両論が巻き起こっている。
90後(1990年代生まれ)の男性・熊さんは、「僕はあまり賛成でない。これはプライバシーに関わることだから」と話す。ビッグデータ時代の今、個人情報の流出が大きな問題となっており、一旦QRコードを作成すると、それによって他の情報も漏れてしまうということはないのだろうか?
一方、不動産業を営んでいる男性・蔡さんは、「QRコードなら個人のプロフィールなどを情報化でき、長期間それを保存しておくことができ、後の世代の人も祖先の生前のことを知ることができる。それに、QRコードなどのバーチャル業務の導入により、墓参りの時に紙を燃やして個人を偲ぶ必要はなくなり、環境保護にとってもいい」と話す。
金宝山芸術園林の関連の責任者は、「数年前、『ネット墓地』というのが大きな話題となった。そして、現在ではQRコードがそこに加わり、一部の人々の需要を満たしている。QRコード付きのお墓が受け入れられ、新鮮感を長期間保てるかは、今後の成り行きを見守らなければならない」と語る。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年4月4日
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