ネイチャー・コミュニケーションズはこのほど、南京師範大学の楊光教授が率いるチームによる研究成果を掲載した。そのなかで、大標本全ゲノムシーケンシングを通じ、長江スナメリが海のスナメリから独立した種であり、クジラ・イルカ類も従来の89種から90種に増加したとしている。科技日報が伝えた。
これは長江スナメリにとって大きな意義をもつが、楊教授はまだまだ喜んではいられないとし、「長年にわたる保護を経て、パンダはすでに2000頭以上に達した。長江スナメリは今も1000頭ほどしか生息しておらず、パンダよりも絶滅がより深刻だ」としている。そして、科学者が長江スナメリを独立した種と認定するだけでは、「水中に住むパンダ」の過酷な生存環境を変えることはできないとしている。
スナメリの多くは海洋に分布している。楊教授によると、海のスナメリはインド洋全体と太平洋沿岸部に分布している。日本海から中国の沿海、インド洋のペルシャ湾沿海まで生息している。
楊教授によると、長江流域の漁業や水上輸送の発達、環境汚染などが、長江スナメリがこの数十年間にわたり減少している重要な原因だ。長期間にわたり続けられてきた漁業と過度な漁獲は、長江の生物多様性に壊滅的な打撃をもたらしている。漁業資源の枯渇が深刻で、巨大なスナメリの種の生存を支えられなくなっている。また水上を行き来する大型船舶の騒音も、音により捕食・交流するスナメリに悪影響を及ぼしている。
楊教授は、「関連部門はこの発表された成果を目にすることだろう。我々も今後、関連部門との連絡と協力を強化していくことになる。長江スナメリは現時点ではまだ国家1級保護動物ではないが、その基準に基づき保護と管理が強化されている。長江スナメリは亜種から種に格上げされ、長江中下流もしくは中国の水域における特有種になると、その保護の必要性と価値と切実さが際立つことになる」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年4月18日
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