1958年に第一回全国人民代表大会第5回会議で「漢語ピンイン方案」が公布されてから、すでに60年という月日を経ている。現在、小学校の漢字教育の入門指導やインターネットの文字入力まで、ピンインは人々の生活の隅々にまで浸透し、必要不可欠な言語ツールとなっている。人民日報が伝えた。
なぜピンインを推進することになったのかという点について、かつて中国文字改革委員会の主任を務めた呉玉章氏の孫である呉本淵さんは、「当初の目的は単に文盲を一掃する方法が必要だったから。新中国成立当初、国民の約80%が文盲だったこともあり、北京市内には代筆を請け負う露店が数多く存在した」と当時の状況を紹介した。
呉玉章主任らの提案をうけ、新中国成立後10日目の1949年10月10日に、毛沢東主席は自ら「中国文字改革協会」の設立を認め、簡略化した漢字の推進や標準語の普及、ピンインの制定と普及という3大措置によって、文盲を一掃するという困難な任務に挑み始めた。1958年に開かれた全人大で「漢語ピンイン方案」が可決されたが、これは中国国内における基準にすぎず、1982年になってようやく世界基準として認定された。
統計データによると、この60年間で中国の文盲率は新中国成立当初の80%以上から、2011年には4.08%まで減少し、2017年には識字率が95%を超え、標準語の普及率は73%以上にまで達した。
現在、ピンインは「中国国内の文化のカギ」から「国際文化の懸け橋」へと進化を遂げている。国家漢語弁公室の趙国成副主任は、「漢字は表意文字であるため、外国人は漢字の形から発音に関する情報を得ることはできない。そのため、学習初期は一般的にピンインをまず学ぶことで、中国語初心者がスムーズに中国語を学ぶことができる。なかには漢字を教えず、ピンインだけで中国語のスピーキングのスキルを高める授業もある。現在、世界147の国と地域には526ヶ所の孔子学院と1113ヶ所の孔子課堂が設立されている。孔子学院あるところ、ピンインありと言える」とした。(編集TK)
「人民網日本語版」2018年5月17日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn