関西は、日本経済にとって重要な地域であるものの、情報革命が牽引する新たな世界経済の調整において、同地域は方向性を見失ってしまった。その起伏に富んだ経験、得られる教訓は参考に値する。雑誌「環球」が伝えた。
進まないテクノロジー成果の実用化
関西にはしっかりとした製造業の基礎があるものの、知識、情報を主な原動力とする新経済モデル転換の過程で、出遅れてしまった。その原因として、取材に応じた専門家らは、関西のテクノロジー、イノベーションの成果を効果的に実用化できていないことを挙げる。
関西は科学研究の高い実力を誇り、大阪、京都、奈良の3府県にまたがる京阪奈丘陵にある関西文化学術研究都市には、多くの研究機構、100ヶ所以上の大学、情報関連企業の研究施設があり、その分野は、通信、環境、生物学、物質、光量子、ロボットなど、多くのハイテク分野をカバーしている。また、日本の政府にしても、関西の自治体にしても、科学研究のイノベーションを非常に重視している。
世界知的所有権機関は、2011-15年の特許出願件数に基づいて、世界の技術革新の集積地ランキングをまとめており、東京-横浜地域が9万4079件でトップだった。2位は、深セン-香港地域で4万1218件、大阪-神戸-京都(関西)は2万3512件で5位だった。
しかし、イノベーションという分野を見ると、東京-横浜地域、大阪-神戸-京都は、電気、器具、エネルギーの分野をメインとしているものの、イノベーションの分野は比較的分散しており、電気、器具、エネルギーの分野の特許出願件数が全体に占める割合は6.3%と8.3%にとどまっている。一方、深セン-香港地域はデジタル通信をメインとし、同分野の特許出願件数が全体の41.2%を占めている。
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