「道義に適う者は多くの助けを得られ、反する者は支持を得られず」という有名な言葉にあるように、最近の米国は貿易分野で信義を守らず、矛盾した勝手な言行をし、主要な貿易パートナーへの追加関税を強行し、多角的貿易体制を破壊し続けて、国際世論の広範な批判と懸念を招いている。米国の一国主義的行動は自他共に害すものであり、世界経済の展望には暗雲が立ち込めている。新華社が伝えた。
世界金融危機で打撃を受けた後、世界経済は長年の緩やかな回復を経て、次第に活気を呈し、主要エコノミーはいずれも成長基調を呈している。だが最近米国は絶えず貿易紛争を引き起こし、世界の貿易と経済の成長に新たなリスクと危害をもたらしている。
国際社会は「世界貿易機関(WTO)の枠組で築かれた多角的貿易体制を維持することは、多国間主義を支持する具体的行動であり、世界経済の成長を実現する重要な保障でもある」との認識をとうに共有している。
最近の米国の一国主義的行動はWTOの基本的な精神と原則に違反し、世界貿易システムの安定性に深刻な影響を与えている。スウェーデンの諮問機関「21st Century Frontiers」の創設者デニス・パムリン氏は、米国の保護貿易主義的行為によって、ルールに基づく世界貿易システムは制御不能の危機に直面すると指摘する。ドイツの著名な経済学者ホルガー・シュミーディンク氏は追加関税という米国の保護主義的行為は、世界貿易のルールを踏みにじるものであり、貿易ルールに対する各国の信頼を粉々にし、全ての国々に損害を与えると指摘する。
国際通貨基金(IMF)は先日の声明で、広範な輸入制限はルールに基づく世界貿易システムを脆弱化させる恐れがあり、米国の貿易措置と関係する金融市場及び大口商品価格の変動も一連の国々に影響を与えるだろうと強調した。IMFのラガルド専務理事は、貿易戦争に勝者はいないと改めて警告した。
米国の一国主義的行動はすでに各国の報復を招いている。EU加盟国は今月14日、米国からの輸入品約32億4000万ドル相当に対して25%の関税を課すことで合意した。カナダは7月1日から、米国からの輸入品約128億ドル相当に対して報復関税を発動する。メキシコは6月初め、米国からの輸入品の一部に最高25%の関税を課し始めた。米政府は中国からの輸入品500億ドル相当に対する追加関税のリストを発表すると、中国政府は直ちに同等の規模と税率の報復措置を発表した。
米国の一国主義的行動は世界経済回復への自信に打撃を与え、世界経済に多大な不確定性をもたらしている。これは米国自身の経済も傷つけることになる。ブルームバーグの研究報告は、米国の引き起こす貿易戦争により世界の関税水準が10%高まると想定すると、2020年に世界の貿易額は3.7%萎縮し、世界経済の規模はこれにより0.5%縮小するとしている。欧州中央銀行(ECB)は、米国が貿易パートナーとの貿易戦争に火をつけた場合、世界経済の生産額に1%ものマイナス幅が生じる恐れがあると分析する。
IMFは、貿易パートナーによる一連の報復措置によって、米国の国内外への投資が抑制されると同時に、世界と地域のサプライチェーンが中断され、米国の国際企業は破壊的影響をこうむるだろうと指摘する。
中国外交部(外務省)報道官は先日「今の時代、貿易戦争の発動は世界にとって利益にならない。われわれは各国に対して、共通の行動を取り、時代後れで後退的なこうした行為を断固として阻止し、人類共通の利益を断固として守るよう呼びかける」と指摘した。
経済のグローバル化が深く進行し、各国の利益の融合が進む現在、一国主義はゼロサム思考であり、自他共に害する結果になるのは必至だ。各国にはWTOのルールを含む多角的体制を維持し、遵守し、相互尊重と協力・ウィンウィンの精神によって溝を解消し、一国主義的行為を捨てることで、自国と世界の繁栄及び発展に助力する義務がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年6月19日
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