世界が特別に注視し、期待してきた朝米首脳会談が、紆余曲折を経てついに12日、シンガポールで実現した。会談は順調に進み、前向きな成果を収めた。双方の大筋合意は、朝鮮半島の非核化という目標を前へ大きく推し進める一歩となった。(文:徐貽聡・元駐キューバ中国大使。北京日報掲載)
朝米関係は複雑で、長年にわたり世界をかき回し、多くの国々を巻き込み、広範囲の複雑な局面を形成し、地域の安全と世界の平和を脅かしてきた。朝鮮半島非核化の成否は、北東アジアさらには世界の安定に関わる重大事であり、全世界の注目の重点であり、中国にとっても長年関心を寄せてきた重大事だ。中国は長年、知恵と辛抱強さによって、このプロセスの前進に終始全力を尽くしてきた。中国は6カ国協議の設置・準備・開催を通じて、朝鮮半島情勢の緊張緩和に長年にわたり代替不能な特殊な役割を果たしてきた。今回の朝米首脳会談のためにも多方面の、貴重な貢献をした。
会談は一応の成果を得たが、まだ言葉のうえでの原則的なものに過ぎず、これを事実に変えるには長い道のりが待っている。「三尺の氷は一日の寒さでならず」。朝米関係が解氷の段階から長期安定にまでいたるには、必然的に時間が必要だ。朝鮮半島核問題には長い歴史があり、複雑に錯綜している。会談の大筋合意は「これで終結」という意味にはならない。米朝双方のさらなる実際の行動が必要だし、世界各国も引き続き努力して、これを手に触れることのできる実際の成果に速やかに変える必要がある。
窓はすでに開かれ、光が差し込んでいる。だが目標の完全な達成まであとどれほどかかるのかは、まだ見通しがつかない。その時間がなるべく短く、プロセスが平穏なものとなることを願う。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年6月15日
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