2018年6月18日、中国では旧暦の5月5日を「端午節(端午の節句)」としている。「端午節」は、春節(旧正月)・中秋節(中秋の名月)に並んで中国伝統の三大節句とされ、とても重要な祝日である。法定の祝日としても、3連休に指定されている。
端午節(端午の節句、今年は6月18日)が近づき、ちまきの販売がピークを迎えている。今年も市場には、多種多様のユニークな具のちまきが出回っている。定番のもち米ナツメやもち米小豆のほか、宮保鶏丁(鶏肉とナッツのピリ辛炒め)、魚香肉絲(細切り肉のピリ辛炒め)、燻製肉、ドリアン、ザリガニまで実に様々な具のちまきが登場しており、具のバラエティさにおいては月餅に引けを取らないほどになっている。
■新商品ちまき
宮保鶏丁ちまき
複数の老舗では、人々のちまき購買熱が最高潮に達している。伝統的な具のちまきの人気が相変わらず高いが、今年は、老舗各店も、若い人の好みに合わせて新しい具のちまきを開発・販売している。たとえば、峨嵋酒家では今年、名物料理の宮保鶏丁や特色ある魚香肉絲を具としたちまきを販売し始めた。峨嵋酒家の侯マネージャーは、「これまで宮保鶏丁や魚香肉絲を具にした包子(肉まん)は売り出しており、常に高い人気を博していた。>>
〇端午節前にはやくも品切れとなった「四川風肉ちまき」
四川風肉ちまき
北京の老舗「稲香村」も、今年はさまざまな具のちまきを売り出している。なかでも注目を集めているのが、「四川風肉ちまき」で、ピリ辛味をちまきに取りいれるという試みを行っている。北京稲香村の関係者は、「脂身と赤身が絶妙のバランスの精製豚肉と四川紅麻椒など四川独自の調味料を秘伝のレシピで組み合わせた具を使っている。ピリ辛味が新鮮なもち米とコラボし、素晴らしい味を醸し出している」と紹介した。
〇若者に人気の「不思議な味」
フルーツちまき
実際にオンラインショップで検索してみると、辣味泡椒牛肉(辛口唐辛子漬牛肉炒め)ちまき、ソーセージちまき、燻製肉ちまき、アワビ炭焼黒豚ちまきなど、さまざまな種類のユニークな具のちまきをたくさん見つけることができる。このほかにも、東南アジア産ドリアンチョコちまき(8個106元/1元は約17.2円)やツバメの巣氷心ちまき(8個268元)なども登場し、ちまきの価格帯を一気に高めている。
〇伝統的な台湾ちまき
瑠璃粽
台湾地区では「鹼粽(あくまき)」や「素粽(野菜ちまき)」が非常に有名な伝統的なちまき。
「鹼粽(あくまき)」は、灰汁(あく)ともち米をよくかき混ぜ、キラキラと透き通るまで煮こむと、美しく弾力のあるちまきが完成する。そしてこれを冷蔵庫で冷やせば、たちまち美味しい「氷粽」に変身する。食べる時には、蜂蜜や粉砂糖、黒砂糖をつけて食べても、シロップをかけて食べても美味しい。>>
■ちまき以外にも美味しいもの
緑豆ケーキは中国各地で見られ、端午節当日の主役は粽子でなければ緑豆ケーキといえる。整った形で爽やかな舌触りと、柔らかく歯に着かないのが特徴だ。緑豆ケーキの原料は緑豆粉、豌豆粉、砂糖、桂花などで、中医学の「清熱解毒、保肝益腎」の作用を持つ、夏向きの食品だ。
■煎堆
福建省晋江地区では端午節にどの家でも「煎堆」を食べる。煎堆とは小麦粉や米粉、サツマイモの粉などと調味料を混ぜて生地を作り、油で揚げるものだ。昔、福建省南部一帯では端午節前に雨季が訪れ、止まない雨を見て人々は天に穴が開いた、「穴を塞ぐ」必要があると言っていたところ、端午節に「煎堆」を食べたら雨が止み、天の「穴が塞がった」と言いあったという言い伝えがある。
■米ケーキ
端午節は吉林省延辺朝鮮族の祝日でもある。代表的な食品は米ケーキだ。よもぎと炊いたもち米を木でできた臼のようなものに入れ、杵のような棒で打って作る餅の一種だ。民族色豊かな祝日の食品だ。
■哨子面
陝西省の住民は端午節の日に哨子面を食べる習慣がある。哨子面は歴史が長く、その中でも最も有名なのは岐山哨子面だ。岐山のものは薄さやこし、光沢、酸味、風味などで有名だ。
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