中国の有名なECシンクタンクの電子商務研究センターが13日に発表した「2017年度中国ネット小売市場データモニタリング報告」によると、2017年に中国のネット小売市場の取引額は7兆1751億元(1元は約17.3円)に達し、前年に比べて39.17%増加した。18年には9兆3863億元の規模に達する見込みという。中国新聞網が伝えた。
データをみると、17年の全国の社会消費財小売総額は36兆6262億元に上り、この中でネット小売市場の取引規模が占める割合は19.6%となって、16年より4.7%上昇した。18年は22.7%に達することが予想される。
ネット小売市場の浸透率が持続的に上昇するのにともない、経済発展に対してECがますます重要な地位を占めるようになった。ECは便利さをもたらすと同時に、現代を生きる人々の消費習慣を変えつつあり、もともとオフライン消費に慣れ親しんでいたクラスターが「未来の小売」というトレンドの中でより多くの選択肢をもつようになった。
同報告によると、「17年末現在、中国のネットショッピング人口は5億3300万人に達し、16年より14.3%増加し、ネット人口全体に占める割合は69.1%になった」という。
同センターの曹磊センター長はこうした状況について、「モバイルショッピングの割合上昇にともなって、(ソーシャルメディアとECを組み合わせたビジネスモデルの)ソーシャルコマースが発展の兆しをみせるようになり、『未来の小売』が急速に発展するというのが、業界の新たな注目点だ」と総括する。
同センターネット小売部門の呂昊沢アシスタントアナリストは、「ネットショッピング産業の発展はますます成熟に向かい、各ECプラットフォームは品揃えを絶えず拡大充実させ、アフターサービスと物流サービスを最適化するだけでなく、越境ECや農村ECの発展にも積極的だ」との見方を示す。
ここからわかるのは、17年の中国ネット小売市場は、「未来の小売」ブームが牽引した大量のオフラインの従来型小売とオンラインのECとの融合により、相当の成長を遂げたということだ。「新小売」であれ、「アンバウンデッドリテール(無界零售)」であれ、これまでの歴史ではみられなかったようなスピードと力強さで進んでおり、世界の小売産業をひっくり返すような変革の方向性をリードしている。
曹センター長は、「『新小売』の影響を受けて、小売実店舗は調達、在庫から販売、会員サービスなどのデータまで、伝統的小売企業の流通ルートの短縮を実現させ、『バーチャル試着室』、『ビジュアル認識技術』といったハイテクを活用するようになり、今後は伝統的小売企業の改善をさらに推し進め、消費体験の持続的なバージョンアップを遂げることが期待される」と述べる。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年6月15日
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