「日本経済新聞」の元編集委員で経済問題専門家の山形健司さんは、「介護という仕事の性質を考えると、介護ロボットの研究開発と応用には大きな困難が横たわるといえる。介護される側のニーズは千差万別で、1台のロボットでさまざまなニーズに応えるのは非常に困難だ」と話す。
介護施設の運営で10数年のキャリアがあり、現在は関西地方で老人ホーム40~50ヶ所を経営する日本企業の上層部が話したところによると、「高齢者と患者に対する介護サービスは一般客が利用するホテルのサービスとはまったく性質を異にするものだ。介護される側が満足し、理想とするサービスを提供することは難しい。その最も重要な原因は介護者のレベル向上が難しいことで、ホテルのように厳しい研修を経ればサービスが身につくというものではない。被介護者一人一人の状況はすべて異なり、一口に腰痛といっても、状況はそれぞれ違う。そこで、やはり人の手を借りる方が早いということになる」と話す。
山形さんは、「介護ロボットと介護機器は今はまだ重くて操作が難しい。現時点で介護産業の従事者は低収入の非正規雇用が多く、教育レベルも低い(看護師の資格をもたない)。こうした人々が機器の使用に熟練するには、訓練と時間が必要だ。よって機器を開発する際にまず考慮しなければならないのは、介護する人が使いやすいかどうかという点だ。開発企業と介護サービス提供機関は積極的に協力・コミュニケーションをはかり、介護ロボットの構想段階から開発プロセスまで、すべての過程において一線で働く人々の意見を聴取する必要がある。また介護ロボットの細やかな技術指導システムを構築することも必要で、そのためには国が各段階で支援を提供することが必要になる」と話す。
また山形さんは、「介護ロボットは価格が高すぎる。現在の日本の政府や地方自治体からの補助金は限定的で、ロボット導入には資金面でのカベが立ちはだかる」と指摘する。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年8月14日
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