ファーウェイも今年初め、中国自動車大手の比亜迪(BYD)と事業提携し、自動運転システム「雲軌」を共同発表した。さらに自動運転プロジェクトには、車載ネットワークチームと5Gチームが加わると発表した。
インターネット業界アナリストの王如晨氏は、「アップルとサムスンの自動車開発には各自の特色と強みがあるが、弱点も顕著だ。アップルの強みはUI、システム、車載ネットワークサービスにある。アップルの見所はインターネット、自動運転、AIスマートフロントガラスで、完成車の産業体系に弱みを持つ。サムスンは半導体、ディスプレイ、総合的なサプライチェーンに強く、近年さらに車載ネットワーク及び新エネ技術を強化した。サムスンは以前より完成車製造の経験を持ち、完成車の製造条件、テスト条件、自動運転ソリューションプラン、バッテリー技術を持つ。しかしソフト、特にICTとUIはまだ弱い」と指摘した。
業界関係者は、「現状を見る限り、アップルの自動運転車は2021年に公開される見通しだが、この産業がアップルの時価総額にどのような効果を及ぼすかについては、現時点では予測できない。アップルと異なり、サムスンは接続システムのハイテクサプライヤーになろうとしている。自動車の電子部品、自動車用バッテリー、自動運転に取り組み続けており、完成車製造の意志が強く示されていない」と判断した。
◆自動車の属性に変化、電子大手が新たな駆け引きを展開
アップルとサムスンの他に、ファーウェイ、ダイソン、ブラックベリーなどの大手も自動車製造の動きを強めている。
ファーウェイは車載ネットワークを重視している。業界関係者によると、自動車のタッチパネルは携帯電話、テレビ、パソコンに続く4枚目のパネルになり、人々の移動方法とライフスタイルを変える。BMW、アウディ、ポルシェなどの自動車メーカーはこれまでファーウェイと事業提携しており、車載ネットワーク技術をめぐり長期的に協力している。
ダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏はこのほど、同社が2020年に初のEVを公開すると発表した。ブラックベリーの取締役も「スマートカーは今後、当社の主な応用シーンになる」と述べた。
産業経済評論家の丁少将氏は、「電子大手の業界を跨ぐ自動車製造には、2つの原因がある。まず自動車産業が変革の節目を迎えている。動力の新エネ化、システムのAI・スマート化が産業の大きな流れになっており、自動車産業のアップグレードが新たな巨大市場をもたらす。次に電子大手が大きな資金力、人材資源、ブランド影響力を持つ。また新エネやAI・スマートなどの技術のハードルはこれらの企業にとって決して高いものではなく、新エネ・スマートカー産業に進出する完全な能力を持つ」と話した。
王氏は、「伝統的な自動車産業チェーンはすでに成熟しており、ハードルが下がっている。アップグレードはこれらのテクノロジー大手に機会をもたらした。また、自動車はすでに移動ツールから一つのシーンやプラットフォームに変わっており、産業と科学技術界の融合が密になっている。テクノロジー企業は参入の優位性を占める。さらに、自動車産業で集積が最も広範で最新のICT、エネルギー技術など、新分野の利益率が高めだ」と述べた。
しかし、業界関係者は、「自動車メーカー間の競争は最終的に、新エネ技術、サービス、シーンに落ち着く。ITの経験しか持たない企業は活路を見出しにくく、コンシューマー電子機器の大手は自動車産業のサプライチェーン、AI・スマート、インターネット経営などで市場を見出そうとする」と分析した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年9月13日
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