日本の国土交通省はこのほど、自動車メーカーのマツダとスズキ、バイクメーカーのヤマハ発動機の3社が、新車の燃費などの測定検査で不正があったと発表した。3社はそれぞれ記者会見を開き、完成車の排気ガスや燃費を調べる検査で測定値を改ざんする不適切な行為があったことを認めた。日本のメディアは、「再び発覚した不正スキャンダルによって日本の自動車メーカーに対する消費者の信頼が大きく低下しただけでなく、長らく『メイド・イン・ジャパン』に寄せられてきた信頼が極めて大きく損なわれた」との見方を示す。
スズキによれば、燃費と排ガスの抜き取り検査で、速度が規定範囲を逸脱したり測定時間が許容範囲を逸脱したりして本来は無効とされるデータを、担当者が有効な測定結果として処理し、対象車は6401台に上るという。ヤマハ発動機がデータ測定検査の対象となったバイク335台を調査したところ、7台の検査過程で削除すべきデータが有効として処理されていたことがわかった。マツダも自動車72台の品質検査で同様の問題があったことを認めた。
同省はメーカーに検査記録を保存し、記録の改ざん防止措置を執るよう求める構えだ。同省の石井啓一大臣は、「この問題は極めて遺憾だ。必要な措置を徹底実施して、再発防止に努めなければならない」などと述べた。
ここ数年、日本企業の不祥事が次々発覚し、日本の製造業が抱える深層レベルでのさまざまな問題をあぶり出した。日本では戦後のベビーブームの時期に生まれ、これまで企業で品質管理を担ってきた団塊の世代が退職年齢を迎え、企業は品質管理担当者の人材不足に悩むようになった。このことは日本の製造業の信頼を損なう大問題に発展する可能性がある。日本メディアは、「日本の有名企業で品質をめぐる問題が頻発していることから、日本企業の内部には管理をめぐって巨大な遺漏があることが明らかになった」と分析する。
ここ数年、日本の有名自動車メーカーの検査での不正行為が次々に明らかになっている。三菱自動車とスズキは2016年に燃費データの改ざんが発覚し、日産自動車とスバルは17年に無資格の従業員が完成検査を行っていたことが発覚した。今回の問題も加わって、日本の自動車メーカーに対する消費者の信頼が低下したことは間違いない。日本の早稲田大学大学院経営管理研究科の長内厚教授は、「最近、日本の製造業で発覚した一連の不祥事は、企業が全体として品質管理をおろそかにしていたことが原因だ」と指摘する。
日本紙「日本経済新聞」は、日本の自動車メーカーで不祥事が相次ぐ原因は、日本の自動車産業のビジネスモデルの限界にあるとし、具体的な原因として次の3点を挙げた。第1に、企業がコストを抑えることばかり考えて、品質や安全性をおろそかにしている。第2に、熟練労働者の深刻な人手不足問題が十分に解決されていない。第3に、日本企業の組織が硬直化している。日本のメディアやアナリストは企業文化や業績の圧力といった企業のコンプライアンスのミクロ的側面から、また日本の生産年齢人口の減少、企業の雇用メカニズムの変化といったマクロ的側面から、今回の問題について全面的な考察を行う。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年8月15日
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