「改革開放によって中国の食糧生産量は比較的短期間に大幅に増加し、『中国は自らを養えない』とする予言に破綻を宣告した」。国連食糧農業機関(FAO)のホセ・グラツィアーノ・ダ・シルバ事務局長はこのほど新華社の単独インタビューに、中国と世界の食糧安全保障に対する改革開放の重大な意義を高く評価した。新華網が伝えた。
グラツィアーノ事務局長は「過去何年間かで、中国は数千万人を貧困から脱却させ、世界の飢餓撲滅目標達成に重要な貢献をした。中国を計算に入れなかった場合、世界の飢餓人口は増加の一途となるが、中国を計算に入れると、この数字は過去10年間減少し続けている」と指摘した。
グラツィアーノ事務局長は「中国は過去40年間、自国の食糧問題を解決した以外に、南南協力を通じてアフリカを始めとする多くの国々に貴重な援助を行った」と指摘。「気候変動、特に干ばつによって、アフリカは極めて重要な米の生産で試練に直面しているが、中国にはちょうどこの分野でノウハウがある。ここ数年、アフリカ地域に適した水稲品種を栽培するために、中国の専門家とFAOは非常に広範な協力を行ってきた。中国はまた、稲田養殖のノウハウをアフリカに提供し、現地の農学者が理解し、試験する手助けをし、アフリカの食糧安全保障問題の解決を後押ししている」と指摘した。
グラツィアーノ事務局長は食糧安全保障問題の解決に対する「一帯一路」イニシアティブの意義も高く評価し、「FAOは途上国での『一帯一路』事業実施を支援するための合意を中国と最も早く結んだ国際組織の1つだ」と述べた。
グラツィアーノ事務局長は「『一帯一路』建設はインフラ整備事業を多く含む。そしてこれは食糧安全保障確保のためにまさに急がれることだ。貯蔵施設不足のために大量の食糧が失われているアフリカ諸国にとっては、特にそうだ」と指摘。「貯蔵施設不足のため、マラウイで生産される食物の半分が失われている。『一帯一路』の枠組での協力はこうした国への支援になる。インフラ整備事業は食物の無駄と損失を減らす助けとなり、食糧安全保障の状況を大幅に改善する」と例を挙げた。
グラツィアーノ事務局長は「FAOは現在、食糧生産量を減らさずに化学物質の使用量を減らして環境を保護できるよう、中国政府と協力して新たな技術を打ち出している」と説明。水資源管理を改善し、点滴灌漑などの技術を普及させるよう中国側に提案もした。
グラツィアーノ事務局長は「すでに中国は環境と自然資源の保護を最重要政策の1つとしている。中国はこの分野で良い進展を得ると私は信じている」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年12月10日
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