日本の世界レベルのグラフィックデザイナー、日本デザインセンター社長、無印良品アドバイザリーボードの原研哉氏は北京で、「家は各産業の交差点であり、文化生活の基本でもある。さらに高齢化問題、エネルギー問題、環境問題、教育問題などを統合した独特な媒介でもある」と述べた。中国新聞網が伝えた。
原氏は長江商学院のブランドフォーラム長江大講堂で、「未来の家の探索」と題した講演を行った際にこのように発言した。長江商学院の項兵院長は、「現在の世界には、多くの人が目先のことにとらわれるという問題がある。目先の成果と短期的な利益が過度に重視されている。国家統治、経済発展モデルなどの各種システムにおいて、人の生存環境などの重大問題に対する深い考えと実践が不足している」と指摘した。
今回の長江大講堂のテーマは「未来の生活の探索と社会の革新」で、「家」を原点とし、産業の結び付け、革新の融合、多元化産業のアップグレードを、所得と富の格差、社会の流動性の低下、持続可能な開発といった社会革新の3大難題と結びつけることで、解決策を見出す。
原氏は、デザインは人が自然環境の中から手にする知恵であるとの見解を示した。一つの家具で家全体の理念に大きな変化をもたらしうるというのだ。
原氏は、「デザインが現地の文化に溶け込むことができるか、これが無印良品の考え方の原点だ。無印良品は世界各地向けの異なる文化的なデザインを持ち、各地で独創性を発揮している。これはグローバル化の一部だ。中国人が無印良品を好むのはそれが日本風だからではなく、心の底でシンプルを渇望しているからだ」と話した。
AIなどの科学技術の発展について、原氏は、「AIなどの技術を過度に強調するのではなく、AIを人々の目に届きにくい場所に置くことで、常にAIの存在を意識させないことが必要だ。これこそが非常に自然な浸透方法であり、このような方法が当社の今後貫く理念だ。科学技術がいかに進化しようとも、人の心や行動は抽象化したりしない。そのため、別の角度から未来を見るべきだ」と述べた。
原氏は、「高齢化社会において、人々は暮らしについてもさまざまなことを期待する。家は未来の社会問題について探索する最も独特な選択肢だ。なぜなら、家が各産業の交差点だからだ」と強調した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年7月19日
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