大雪が降った後の今月12日、日本の東北地方の福島県の有名観光地である会津若松市の駅で、中国の自動車メーカー比亜迪(BYD)が製造した電気バス3台の引き渡し式が行われ、会津乗合自動車株式会社(会津バス)に正式に引き渡しされた。比亜迪の日本での電気バス引き渡しは、京都、沖縄に続いて今回が3件目になる。「経済参考報」が伝えた。
塗装も新しい比亜迪の電気バスは環境に配慮した可愛らしいデザインで、車体の下半分はグリーンが基調、上半分は青空に白い雲が浮かび、ところどころに愛らしい動物のイメージもあしらわれている。雪が溶けて春になり、日本最大の湿原の尾瀬国立公園が再び開園すると、この3台のバスは尾瀬の美しい景観の一部になる。
同公園は福島県、栃木県、群馬県、新潟県にまたがり、日本最大規模の山岳湿地の尾瀬、会津駒ヶ岳、田代山、帝釈山などの周辺地域を景観スポットとする。春から夏にかけて、尾瀬では色とりどりの花が咲き乱れ、澄んだ空気、美しい景観と相まって、訪れた人に日常を忘れさせる。東日本大震災の後は、自然の生態環境を保護するだけでなく、観光開発によって被災地を振興するという大きな使命も担うようになった。
同公園の冬は長く、時々大雪が降ることもあり、極寒の気温は電気バスにとって過酷な試練になることから、このたびの電気バスの調達・運営を担当する会津バスは非常に慎重な態度を取ってきた。佐藤俊材代表取締役社長は、「比亜迪との協力を決めるまでに、非常に慎重な検討過程を経ており、欧米市場の自動車企業や現場を担うバス運営会社も相次いで訪問した。比較検討の結果、最終的に比亜迪に決めたのは、比亜迪が電気自動車(EV)のコア技術を確立しているからだけでなく、製造規模が非常に大きかったからだ。こんな会社なら信頼できると思った」と振り返った。
日本は世界に名だたる自動車強国だ。一部の専門家は、「日本の自動車製品についての法律や基準、サービスなどの要求は非常に厳しい。こうした非関税障壁は海外の自動車を日本市場から閉め出すのに有効であり、他国・地域のメーカーは二の足を踏んでしまう」と説明する。
実際、中国自動車メーカーが日本市場に進出するには、長い道のりを歩き、障害を乗り越えなければならなかった。比亜迪は2015年に京都で電気バス5台の引き渡しにより、中国自動車工業の60年以上の歴史の中で、中国車が日本の街頭を走る初めてのケースになった。それから2年後、比亜迪は沖縄でも電気バス10台の引き渡しを行った。
比亜迪アジア・太平洋自動車販売事業部の劉学亮総経理は「慎重な態度、進んだ技術、確かな実力があればこそ、優れた企業が林立する市場でもしっかりと足元を固めることができるのだ」と述べた。
また劉氏は、「日本現地での運営が順調でなければ、世界300都市以上での豊富な運営経験がなければ、欧州連合(EU)の認証がなければ、一連のコア技術がなければ、このたびの協力はこれほどスムースに進まなかった」と明かした。
比亜迪は次々にやって来る「洗礼」の中で、日本国民の中国自動車メーカーに対する態度や見方を徐々に変えていった。バス専門誌「バスラマ」は、「運行開始から1年になる比亜迪バスは運転手、乗客、事業者にそろって好評」などと伝えた。
中国の改革開放40周年という背景の中、比亜迪が海外に打って出たのは偶然ではなく、技術の進歩がもたらした必然的な結果だといえる。今や、ますます多くの中国企業がこれまでの「フォロワー」や「模倣者」から業界のベンチマークへと成長を遂げている。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年1月18日
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