日本の古本業界は非常に活況を呈しており、主に京都や大阪、東京などほかの都市と比べ文化が発達している大都市に集中している。例えば、東京の神保町にある神田古書店街には古本屋が約200店舗も並び、膨大な数の本が集まっている。(文/許志傑、齊魯晩報掲載)。
神田古書店街に行く前に、筆者はまず広島の書店数軒を訪ねたほか、京都では東寺の古本市に足を運んだ。どこに行ってもそれぞれ異なる収穫があり、好きな書道関連の書籍を数冊購入した。特に、京都で見つけた「京都大学人文科学研究所所蔵甲骨文字 索引」は今回の本探しで最もお気に入りの1冊となった。このように、日本では現在も古本業が非常に活況を呈している。
神田古書店街に到着すると、たくさんの本屋が立ち並び、本屋の入り口周辺にまで溢れるように本が並べられており、多くの客で賑わい、非常に活気があった。驚いたのは、本の問屋の取次店の前には、開店前にもかかわらず、行列ができていたことで、並んでいる人は本を読みながら開店を待っていた。
神田古書店街は、東京の中心に位置する千代田区にあり、100年以上の歴史を誇る。20世紀初めの明治維新以降の日本は、経済や文化、教育などの面で飛躍的な発展を遂げ、数多くの出版社が相次いで誕生した。こうした出版社は、まるで申し合わせたかのように、神田神保町に事務所を構えた。文庫本シリーズの岩波文庫の出版で有名になった岩波書店は今もここに事務所を構えている。そして、こうした出版社が書店をこの地に設けるようになり、その多くが1階を書店に、2階に事務所を設けている。そして十数年の発展を経て、次第に書店街としての規模に発展していった。その後、特に第二次世界大戦後からは古本を扱う人々も店などを神保町に構えるようになり、時が経つにつれて古本屋の数が一般書店の数を上回るようになっていった。
では、神田古書店街にはいったい古本屋が何軒あるのだろうか?200軒ぐらいという人もいれば、もっとあって少なくとも400軒はあるという人もいる。正確な数は、公式な統計がないため、今のところ分からない。それでも、神保町古書店街のシンプルな地図を見ても、ざっと見積もって少なくとも200軒はあると思われる。
日本の古本ファンは、神保町を「古本のメッカ」と呼び、「古本はれっきとした文化的財産で、古本には思いを奮い立たせる力がある」と考えている。そして、多くの人にとって、そこに来て古本を探すことが、「日課」のようになっている。なかには、1日中そこにいたり、さらには何日間もそこに通ってずっとそこにいる人もおり、自分にぴったりの巣穴を見つけた虫がそこに住み着いているかのごとく夢中になっている。それら古本を好み、四六時中本を読んでいる人は「本の虫」と呼ばれている。
古書店街に足を踏み入れると、なんとも言えず奇妙で、日本らしい文化の味わいに満ちた古本屋の看板が並んでいる。それらの書店の名前は明文堂書店や中山書店、十字屋書店、山陽堂書店などいずれも漢字の名前がほとんどだ。なかでも中国の読者にはとてもなじみ深い内山書店もある。またこうした書店名から中日両国の文化に類似点があることも垣間見ることができる。各書店の床から天井まで備え付けられている本棚には、本がぎっしりと並べられており、店の外にまで本があふれ出している書店すらある。
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