経済低迷で日本の「引きこもり」が増加 社会復帰か反逆か (2)

人民網日本語版 2019年06月13日09:20

80歳の親が50歳の子どもの面倒をみる。この世代の親たちは経済の高度成長期に資産を相当蓄えていて余裕がある。しかし老齢にさしかかった親たちは、今や自分の健康問題や介護問題に直面しなければならず、子どもに対しては気持ちはあっても力が及ばない。日本人に特有の羞恥心が、こうした親たちに行政機関や民間の支援団体に助けを求めることをためらわせ、経済的に困窮しても救いの手をさしのべることをさせない。その結果、高齢の親と中年の子どもが家で餓死するという事件がたびたび起きるようになった。

さらに軽視できないのは引きこもりの心の問題だ。中年の引きこもりの約4割が、「悩みはあっても誰にも相談しない」と答えた。こうした世間と隔絶した暮らしは偏った性格を形成しやすい。実際、最近の日本社会を揺るがした2つの事件の背後には、どちらにも引きこもりの姿があった。

▽なぜ家に閉じこもるのか?

早稲田大学の専門家によると、「引きこもりには日本社会の現状が反映されている。日本人はルールを強調し、個人の価値が集団のルールを守る能力に体現されている。引きこもりはこのような価値を実現できない人々で、自分は役に立たない存在と思い、それを恥ずかしく思い、社会に出ていくことができず、自責の念に駆られている」という。

このほか学校でいじめに遭う、仕事が見つからない、職場になじめないなども、引きこもりの原因になる。

日本の精神科医・斎藤環さんは、メンツが引きこもりを生み出す最大の要因との見方を示す。引きこもりは、社会から遠ざかる時間が長ければ長いほど、人との関わりで失敗したという挫折感が強くなり、普通の暮らしに戻るのが難しくなる。こうした人々は自分を社会における「失敗者」と考えており、自尊心と自信が絶えず傷つけられているため、家を出るのが徐々にとても恐ろしいことになっていく。より困ったことは、引きこもりの親はメンツを重んじて、数ヶ月も、時には数年も専門家に助けを求めずにいることがよくあり、専門的治療を行う最適なタイミングを失することが多い。

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