社会からのプレッシャーを受けて家に引きこもるだけでなく、世話をしてもらいたい、無条件に愛されたいという気持ちから引きこもる人も増えている。日本ではかつて、女性は結婚すれば家を出るのが普通で、男性は生涯、両親と一つ屋根の下に暮らす可能性が高かった。両親は子どもが大きくなると育てたことへの恩返しを願い、社会での活躍を期待していた。しかし多くの人はこの期待に応えられず、重圧に耐えかねて引きこもる人が大勢出てきた。
▽社会復帰か反逆か
日本の社会問題専門家の一部は、「引きこもりは社会に受け入れられないと、社会に反逆し、破壊的要因になる可能性がある。悲しむだけでなく、悲劇に至った要因を掘り下げて考える必要がある」と指摘する。
また、「日本政府が民間と協力し、コミュニティレベルで若い人々に対する、特に引きこもりと呼ばれる人々に対するカウンセリングを強化する必要がある」との声も上がっている。日本ではいくつかの市民団体や組織で、引きこもりを集めて研修を行い、少しずつ社会に適応できるようにする取り組みを行っているところもある。
日本の各地には「引きこもり地域支援センター」があり、就労支援や心理ケアを提供し、引きこもりが家から出て、外の世界と接触するようサポートしている。各地の福祉事務所は引きこもり向けの職業訓練を設定し、レストランの調理や接客サービスを中心とした訓練を実施している。
引きこもりの中には何年も訓練を続けて少しずつ家から出られるようになった人もいる。2018年の秋田県の福祉事務所のデータをみると、訓練を受けた113人のうち、順調に再就職を果たしたのは30人だった。
「自分が死ぬ前に子どもが普通の生活を送れるようになるのを見たい」。これは引きこもりの子をもつ親の多くが心から願っていることだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月13日