今年の春晩(春節<旧正月、今年は2月1日>を祝う中国の国民的年越し番組)で披露された宇宙をテーマにした子供のダンスパフォーマンスの最後に、有人宇宙船「神舟13号」の乗組員・王亜平宇宙飛行士の娘が登場し、「お母さん、星を1つ持って帰って来て」と大きな声でお願いし、これを見た多くのネットユーザーはほっこりした気持ちになり、感動した。「神舟13号」が今月16日に無事帰還し、地上に降り立った王亜平宇宙飛行士は、カメラに向かって、「星を取りに行っていたお母さんが帰って来たよと、娘に言いたい」と気持ちを高揚させながら語り、娘に愛情たっぷりのメッセージを送った。中国新聞網が報じた。
これより前に、「神舟13号」がもうすぐ帰還することを知った貴州省黔東南苗(ミャオ)族侗(トン)族自治州凱里(カイリー)市に住むミャオ族の女性・潘雪さんは、黔東南民族職業学院ろうけつ染めスタジオの教師や学生と共に、無形文化遺産であるろうけつ染めの技術を駆使して、「広大な星空」を作り出し、中国の宇宙飛行士らを応援し、敬意を示す思いを表した。
潘さんによると、「広大な星空」を製作することを決めてから、教師や学生らと共に、構図を考え、布を選び、月を描き、蝋を布に塗るなど、休む暇もないほど忙しく作業を進めた。そして教師の提案もあり、蝋を塗って「宇宙の星」を描き出すことにするといった試行錯誤を重ねた末、長さ1.5メートル、幅2メートルの布に星がたくさん散りばめられた作品を完成させたという。
では、どのようにして「星」を掴み取ることができるのだろう?潘さんは、自身の銀細工の製作スキルを活用して、「無形文化遺産の星空」の目玉でもある「掴み取ることのできる星」を作り出した。潘さんは取材に対して、「木の材料を選び、表面に銀の粉を塗り、彫刻刀で少しずつ削って木の皮の感じを出し、さらに、銀のワイヤーや糸を使って枝を作り、星の形に切った星をそこに吊るしていった」と説明した。
昼夜問わずに約5日間作業して、「銀色の星」がたくさんぶら下がった木が出来上がった。星空が描かれたろうけつ染めの作品を背景にして、ミャオ族の伝統衣装を着た潘さんが立ち、その「星の木」に手を伸ばすシーンは、とても幻想的で、まるで宇宙飛行士が「星空」をバックに「星を掴み取って」いるかのように見える。
潘さんは、「これは、黔東南ミャオ族トン族自治州では、『長生樹』と呼ばれ、希望を意味している。どんどん強大になる中国の宇宙事業のようだ。少数民族特有の無形文化遺産の技術を活用して『星空』を作り出すことができて、とても誇りに思う。世界に中国の民族文化を伝えることができると確信している」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年4月18日