中独友好協会の史明徳会長(上)と北京語言大学元共産党委員会書記の李宇明教授(下)
続く基調演説においては、中独友好協会の史明徳会長が、楊丹学長率いる北京外国語大学の「インデックスから見る世界」プロジェクトについて、今後の人文社会科学の発展の動向を代表し、強い問題意識を持ち、学問分野の壁を乗り越えた学際的研究と協力の試みだと高く評価した。北京語言大学元共産党委員会書記の李宇明教授はインデックス研究の意味について、学界の進歩と業界の進歩を促し、国際協力を実現させ、中国の声を世界に伝えるものだと述べた。
国際的発信における中国の発言権の強化には、言語と言説のポテンシャルエナジーの転換が必要となる。その後のインデックス発表では、まず北京外国語大学ならではの優位性を生かした合計101種の言語に基づくグローバル言語インデックスが発表された。そのうち、「国家言語能力インデックス」は197の国を対象に、それぞれの言語を数量化して、比較分析を行っている。また「国家翻訳能力インデックス」は世界の193ヶ国の翻訳能力について統計分析し、ランキングしている。
新しい時代の中、国際的に発信する媒介は従来のメディアだけとは限られなくなってきている。今回はさらに国家、都市、企業、メディア、学者など複数の主体に関する国際発信インデックスを発表し、中国の発信能力の現状を多角的に評価した。「国家の国際発信能力インデックス」は政治、貿易経済、文化など複数の分野のデータに基づいて、195の国と地域の国際発信能力を評価している。「都市の国際発信能力インデックス」は、ハードパワー・ソフトパワー構築から53の国内重要都市の国際発信能力を分析している。「中国企業の国際発信能力インデックス」は上場企業、4489社の国際発信能力について統計分析し、中国企業のことを語り、中国企業の声を届けるインデックスとなっている。「世界のメディアのインターネット発信インデックス」は、世界的に注目された出来事のニュース報道におけるメディア各社の情報の「アプローチ」、「情報分析」、「アイデンティファイ」能力を考察した。「世界中国学研究インデックス」は21世紀以降の世界の中国学研究分野において高い成果を挙げている世界の学者とその学術的な貢献について、初めてビッグデータに基づいて整理したものとなっている。
さらに北京外国語大学国際新聞・伝播学院院長の姜飛教授、中国社会科学院新聞メディア研究所所長の胡正栄研究員、中国伝媒大学副学長の段鵬研究員、中国外文局当代中国と世界研究院院長の于運全研究員、北京外国語大学許国璋語言高等研究院院長の文秋芳教授、北京外国語大学中華文化国際発信研究員首席専門家の張西平教授などの専門家が国際発信能力インデックス・マトリックスをめぐって討論した。会議の参加者はインデックス・マトリックスを高く評価し、その構築が国際的発信の研究のためにより科学的かつ多角的で、数量化された方法を提供するとともに、新人文学科が唱えられる今、国際発信能力研究のコミュニケーションに新しい視野を提供したと指摘している。
「百年間なかった大変動」という時代背景の下で、科学的な国家発信能力研究の重要性がさらに浮き彫りになっている。北京外国語大学国際発信能力インデックス・マトリックスは発言能力、主体的求心力、行動の効力などから国際発信能力研究のために貢献していくことになる。インデックス・マトリックスの発表は社会的に注目され、発表会には新華社や人民網の記者も参加し、取材を行い、新華社を始め、中国日報、中国青年報、光明網、人民網、CGTN及び英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ロシア語、アラビア語、日本語、ポルトガル語を含む多言語で発表会の詳細が報道されている。