「世界のメディアのインターネット発信インデックス2022」概要
世界的に注目された重大ニュースの報道は、メディアが国際的な世論における発言力を競う際の焦点であり、今日ではSNSがその新たな国際的発信のプラットフォームになっている。各国メディアがSNSで世界的なニュースを報道する際の発信効果と能力を評価し、その結果から国際社会の世論の動向とそれを左右する主体を明らかにするために、北京外国語大学は「世界のメディアのインターネット発信インデックス2022」を発表した。この指標体系は政治、経済、文化、社会、生態文明という5つの分野における2021年の世界十大ニュースを取り上げ、各国の主要メディアを研究対象として、世界的に利用されているSNSのツイッターのデータに基づき、国際的発信における重要となるポイントにおける情報の「アプローチ」、「情報分析」、「アイデンティファイ」能力という3つの1級指標を設けたほか、さらに5つの2級指標と13の3級指標を設けた。
研究の結果、SNSでの世界的な出来事のニュース報道において、欧米のメディアが最も強力な発信能力を有する一方、一部の途上国メディアのインターネットでのニュース報道も脚光を浴びるようになっていることが判明した。なかでも、中国のメディア4社が上記の5つの分野でトップ20入りを果たしたことから、中国は発展途上国の中で1位、そして世界メディア各社でも上位に数えられるようになっている。また、総合インデックスランキングを見れば、上位20社のメディアのうち、7割が欧米の主要メディアであることから、世界的な出来事のニュース報道において、国際社会の世論は欧米のメディア各社によって誘導されていることがわかる。そのうち米国のCNNが政治と社会分野で1位、ニューヨークタイムズが生態文明分野で1位、イギリスのロイター通信とBBCがそれぞれ経済と文化分野で1位をそれぞれ占めている。その一方で、カタールのアルジャジーラ(Al Jazeera Satellite Network)は5分野ともに上位10位入りしており、中国の新華社通信(Xinhua News Agency)とCGTN(China Global Television Network)も5分野でトップ15入りを果たした。またロシアのRT(Russia Today TV)とナイジェリアのChannels TV(Channels Television)が経済でトップ10入りしたほか、トルコやケニアのメディアなども異なる分野のランキングで上位入りを果たしている。
「人民網日本語版」2022年5月30日