上海の復旦大学附属小児科病院の学習障害を専門に診察する科の予約がいっぱいになっていることが、最近話題を集めている。学習障害の専門診察は、同病院の児童心理科に設置されており、現時点で8月23日までの予約がいっぱいになっているという。成都商報が報じた。
実際には、同病院で学習障害を専門に診察する科が設置されてもう何年にもなる。同病院によると、中国国内外の研究で、学習障害の有病率は約20%であることが分かっている。学習障害の診察のほか、同病院では、摂食障害の診察も行っており、心理科やリハビリ科、神経科、遺伝性代謝疾患、外科などの専門家が共同で診察を行っている。
学習障害の有病率は20% 女児のほうが多い傾向
話題となっている学習障害診察について、同病院の心理科は2回にわたって説明のコメントを発表し、「学習障害は、いろんな要素が重なって起こる。中国国内外の研究では学習障害の有病率は約20%で、女児のほうが多いことが分かっている。学習に影響を与える要素としては、家庭教育のほか、神経発達障害、精神・心理障害、文化・環境のマイナス要素などが挙げられる」としている。
神経発達障害が原因の学習障害には、実際には一連の生理的原因がある。生理的問題は、「学習障害(失読症、失書症、算数障害)」や「注意欠陥・多動性障害」、「知的障害」、「自閉スペクトラム症(自閉症)」などと診断される。それら障害を抱える子供は知力が正常でも、特定の面の学習能力の発達が遅れており、対応する科目の成績に影響を及ぼす。こうした子供は親や教師に、「出来が悪い」子供や勉強が嫌いな怠け者と誤解されがちだ。しかし、実際には薬物療法や行動療法、専門のリハビリを含む正しい治療を受けると、「出来が悪い」子供から「優等生」へと劇的な変化を遂げることができる場合もある。
復旦大学附属小児科病院心理科は、「学習障害を受診する子供のおよそ3分の1が、学校適応障害や不安、抑うつといった何らかの感情や精神障害を抱えている」と説明する。
この話題に対してネットユーザーからは、「学習障害を専門に診察する病院があるのを初めて知った。自分が子供の頃に受診していたら、もっと勉強ができたかも?」といったコメントが寄せられているほか、「『仕事障害』に対応する診療科はないのかな」や「『起床困難』のための診療科も作って欲しい」、「もう大人ですが受診できますか?」といった冗談交じりのコメントも寄せられている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月4日