頻繁に夜更かしをすることで免疫力が低下し、顔色が悪くなり、視力が低下し、胃腸の機能バランスが乱れ、物忘れしやすくなり、眠れなくなるといった症状も生じ、心身の健康が脅かされることになる。過去20年間にわたり、人体及び動物を対象に行われた睡眠活動の研究結果によると、過度な睡眠不足は持続的な脳の損傷をもたらし、アルツハイマー症などの神経変性疾患のリスクを増やす恐れがある。羊城晩報が伝えた。
米アリゾナ大学の神経学者のFabian Fernandez博士は、「起きている時間が長すぎると体が過負荷になる。脳細胞の働く時間が毎日30%多めになると、多くの細胞が死に至る」とした。
◆徹夜後の寝だめは効果的か?
徹夜による疲れは数日の寝だめで取り戻せると考えがちだ。しかしそうではないことを証明する研究が増えている。
ある研究は若いマウスの実験により、12週間の睡眠不足で青斑核と海馬の神経細胞の数が持続的に減少することを発見した。そしてこれらの動物がその後1年間、正常な睡眠を維持しても、この2ヶ所の神経細胞の数が回復しなかった。
そのため、慢性の睡眠不足がもたらす害は永久に続くと考えるべきだ。主観的な倦怠感や感情の変化は寝だめにより正常に戻るが、客観的な検査・測定で示される警戒及び認知のパフォーマンスは持続的に低下する。寝だめでは長期的な睡眠不足による害を完全に回復できない。
◆運動しても徹夜の害は相殺できない
通常ならば長期的な運動により体重をコントロールし、自身の免疫力を高めることができる。ところが夜更かしした後の体には実際にはすでにさまざまな問題が出ており、さらに苦しい運動をすれば害になるばかりだ。
一定期間にわたり、夜更かしを余儀なくされたが、運動の習慣があるから運動したいという人はどうすべきだろうか。その場合はまずしっかり寝て、心身の疲れを癒やしてからいつもの運動に戻るべきだ。毎日続けるという運動の習慣を崩したくなければ、運動の強度を下げ、運動量も減らすといいだろう。さらに運動中に心拍数を常にチェックし、「(220−年齢)×60%」以下に厳しくコントロールすべきだ。これならば心血管系が比較的安全な強度の範囲内に保たれる。
そのため、できれば徹夜を避け、仕方なく徹夜する場合でも、その長期化を極力避けるべきだろう。さらに徹夜後のコンディションを最良にする方法は運動ではなく睡眠という点も気を付けたほうがいい。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年8月11日
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