8月に入り、中国の9省で新型コロナウイルス感染者が累計で100人以上確認されている。多くの地で検出されているのは、オミクロン株「BA.5株」と、それから変異した亜種となっている。中国新聞社が報じた。
変異株は感染拡大の速度がさらに速いため、中国の「新型コロナウイルス感染症対策プラン(第9版)」が依然として有効であるのかに注目が集まっている。その点、中国疾病予防管理センター・ウイルス学首席専門家の董小平氏は、「各地は現在、第9版対策プランの要求に積極的に対応しており、ほとんどの感染拡大局面が短期間のうちに封じ込められている。つまり、第9版対策プランはオミクロンの変異株にも有効であるということだ」との見方を示す。
第9版対策プランでは、感染拡大が発生した地域の滞在歴が、過去14日間から7日間に短縮されているため、感染拡大リスクが高まるのではないかと懸念する声もあるが、専門家は、「オミクロン株の潜伏期間は平均2-4日と短縮しており、ほとんどの場合7日以内に検出できることが研究で分かっている。コミュニティ職員の管理・コントロールやPCR検査を厳格に実施することを前提に、管理・コントロール期限を短縮しても感染拡大リスクが高まることはない」と説明する。
ワクチン未接種者はオミクロン株対応ワクチンのみの接種を待つべき?
現在流行しているのは主に、オミクロンの変異株、特に「BA.4株」、「BA.5株」だ。研究では、先に流行した「BA.2株」と比べると、「BA.5株」は感染拡大速度がさらに強まっており、免疫をすり抜ける力も目に見えて強くなっているほか、再感染するリスクもやや高まっているため、感染対策はさらに難しくなっている。
このような状況下で、現時点でワクチン未接種の人は今後、オミクロン株に対応したワクチンのみを接種することはできるのだろうか?中国疾病予防管理センター・免疫計画首席専門家・王華慶氏は、「中国を含む一部の国がすでに、オミクロン変異株に対応したワクチンを含めて、新たなワクチンの研究開発を展開しているが、ワクチンの研究開発には時間がかかり、不確定性が存在している」としたうえで、「オミクロン変異株は感染力が強く、ワクチン未接種の高齢者にとってはリスクが非常に高い。また、現在使用されているワクチンに、高い重症化・死亡予防効果があることは明確だ」との見方を示した。
今月9日の時点で、中国大陸部でワクチン接種した60歳以上の高齢者は全体の90.44%を占める2億3880万3000人で、うち全体の85.63%を占める2億2609万2000人が接種を完了している。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月11日