楊さんは、「一番多い時で、1回のゲームに約30人が参加し、たくさんの教員や学生たちが観戦していた。一番盛り上がるのは夕方で、みんな夜の9時や10時まで遊んでいた」と振り返る。
また、「キャンパス内を歩いていて、『あれ?この人どこかで見たことがあるな』と思ったら、昨日私を『捕まえた人』だったということもあった。一緒に遊んだことがある人と目が合ったら、挨拶をするようにもなった」と楊さん。遊ぶ仲間はいずれもその場で集まった人たちなので、それ以前は互いに知らなかった人がほとんどなのだという。
それでも、うまく遊べなかったり、その場が白けてしまうようなことはほとんど見られなかったという。なぜなら、どんな人でも遊びの中では自分の居場所を見つけることができるからだ。いわゆる「コミュ障」気味の人にとって、遊びの中では、誰も相手が誰なのかを気にしないので、気楽に遊ぶことができる。そして反対に「コミュ力が高い人」にとっては、これはまさに友達を作る絶好の機会だからだ。
子供の頃の遊びはストレス解消に最適
時代遅れといってもおかしくないこれらの子供の頃の遊びが、今になってなぜ大学のキャンパスで流行したのだろうか?心理カウンセラーの邱波氏は、「まず、寮に閉じこもってオンラインゲームするよりも、みんなで運動場にいって一緒に遊ぶほうが、大学生の心理的健康にも、身体的健康にも、益が多い」との見方を示す。
また、子供の頃の遊びをすると、快感を与えるドーパミンが分泌され、ベストなコンディションで勉強や仕事をすることができる。邱氏は、「脳科学研究で、気分で学習能力が決まることが分かっている。楽しい気分の人はコンディションを整えやすい。よく遊ぶ子供ほど頭がいいというのは、道理にかなっている。遊びながら、指導力やコミュニケーション能力、問題を解決する能力、気持ちを整える能力を身につけることができる。これは好循環と言える」とした。
また、子供の頃の遊びには、ストレスを解消したり、癒しを得られる不思議な力がある。邱氏は、「子供の頃の遊びをよくすると、子供の頃のような楽しい思いを味わうことができる。遊びの中では、たとえ負けたとしても、とても楽しそうにしている人が多いことに気付くだろう。現実の生活のメカニズムと異なり、子供の頃の遊びをしている時には、ミスを批判したり、評価されたり非難されたりすることはない。みんな自分は大目に見てもらえると感じ、仲間から認められ、受け入れられていると感じることができる。そのため、遊んでいる時間というのは、ストレスを解消できる時間でもあり、生活において受けた心の傷や、仕事や勉強において積み重なっている消極的な気分、心理的ストレスを全て忘れて、少しずつ自分を癒すことができる」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月17日