たっぷり墨をつけた靴ブラシを、真っ白な半紙の上で軽快に躍らせると、武侠小説のワンシーンを描いた情緒あふれる水墨画が完成する。そのあまりにスピーディで、華麗な手さばきに、多くのネットユーザーからは「たった1本のブラシで描いたとは思えない出来栄え」といった感心するコメントが次々寄せられている。
動画の中で、華麗なテクニックを披露しているのは湖南省長沙市に住む80後(1980年代生まれ)の男性・胡さんで、武侠小説や映画の影響で子供の頃から「武侠」に憧れていたという。そして、高校で絵画を学んだのをきっかけに、靴ブラシや箒、トイレットペーパーといった普段の暮らしの中でどこにでもあるような物を使って絵を描くようになったという。こうした日用品の全てが胡さんにとっては「筆」となり、それを使い、彼が思い描く「武侠の世界」を描き出している。
「適当に描いているように見えるのに、完成度は非常に高い」というのが胡さんの作品に対する多くの人の評価だ。胡さんは、「1枚の絵を描くのに要する時間はおよそ30分から40分ほど。適当に描いているように見えるかもしれないが、実際は、頭の中で全体の構造を練ってから描き始めている」のだという。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年2月13日