「泣き虫の隼」—児童作品の多くはプラスのエネルギーを注ぎ込むことに躍起となっており、多くの物語が子供たちに対して勇敢で勤勉、聞き分けがよく謙譲で、諦めないといったことを教育しようとしている。この作品のテーマはこうしたレベルにはなく、作品の教育的機能の面では欠けるといえるかもしれない。しかし子どもが心の成長プロセスで直面する羞恥や恐れ、焦り、疑惑、萎縮といった問題は、解決方法を見つけるのが難しいものだ。同書の著者は自分の子ども時代をベースに物語を書き、温かい心で子どもの方法により子どもの問題を解決している。児童の心理を極めて正確に把握し、ユニークなストーリーで成長の知恵を提示している。同書は子どもに対する大人の理解を助け、子どもが自分を理解することを助け、遊ぶことが最もよい学習だと彼らに教えてくれる。