米国自動車メーカーのテスラモーターズは23日、上海市浦東新区にある上海金橋経済技術開発区の碧雲国際コミュニティで、同市初の自動車引き渡しを行った。屋外にある引き渡し会場には大勢の人が押し寄せ、会場の外でも多くの市民が様子を見守り、自動車界の「アップル」と呼ばれるテスラの電気自動車に熱い視線が注がれた。人民日報が伝えた。
テスラの魅力はどこにあるのだろう。国内では電気自動車(EV)の売上がそれほど伸びていないのに、テスラがこれほど熱狂を生むのはなぜだろう。
▽高価格のEVほど歓迎される
今回の引き渡し会場は、テスラが中国エリアに初めて設立した急速充電スポットの中にある。同スポットの敷地面積は5千平方メートルで、充電スタンドが6基あり、ステラが世界各地に設立したスポットの中でも指折りの規模を誇る。太陽光発電装置も設置され、この装置で作られた電力は今は照明に用いられているだけだが、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)によると、将来は太陽エネルギーとEVを連動させ、クリーンエネルギーを着実に使用したい考えであり、「テスラの願いは外に出かけることがもっと環境保護につながり、持続可能になることだ」という。
環境保護はEVに共通する話題だ。だが中国では3年連続で個人によるEV購入を促進するテスト事業が行われたが、業績はぱっとしない。コストが高すぎる、充電が不便、1回の充電での走行可能距離が短すぎる、といったEVの問題点が、発展を阻んでいる。このほど閉幕した北京モーターショーでは、出展された1千台あまりのうち、新エネルギー車はわずか76台だった。
テスラが今回、中国でうち出した車種は価格が70万-80万元(約1146万-1310万円)もして、国内のEVを大幅に上回ったが、速くも200台以上の予約が入ったという。違いは何なのだろうか。
このほどテスラ車を引き渡しされた6人のオーナーの一人である邵慶暁さんは、「テスラを買ったのは、テスラの電気自動車の環境保護の理念とイノベーションや研究開発の姿勢が気に入ったからだ」と話す。この言葉からテスラの魅力がうかがえる。