日本の飲食店に行くと、店員はまず冷えた水を運んでくる。これは煮沸後に冷ました水ではなく、蛇口から出てきた水だ。日本の駅、高速道路のサービスエリア、公園などの公共の場では、水道水を直接飲める。日本旅行のパンフレットには、「日本では生水が飲める」と明記されている。経済日報が伝えた。
日本人は本国の水質を誇りに思っている。九州には、「太陽と水と緑」という標語がある。山々に包まれた長野県は、「水は命」と宣伝している。美味しい米の産地として知られる新潟県は、水を「立県の本」としている。質の高い水源がなければ、質の高い米を作れないことを知っているからだ。
日本は水資源の管理を非常に重視しており、水に関わる法律だけでも30数種類ある。これには例えば、環境基本法、水質汚濁防止法、公共用水域の水質の保全に関する法律、湖沼水質保全特別措置法、工場排水等の規制に関する法律などが含まれる。日本政府は水質に関連する一連の基準、および企業の排水に関する規制を発表している。これらの基準は、人体に有害な24種の物質、生活環境に有害な16種の物質を指定している。さらに全国の数百ヶ所に観測点を設置し、工場排水および生活排水の水源に対する汚染を監視している。
さらに重要なことは、日本の各自治体が、水資源を極めて重視していることだ。日本の関連法の規定によると、各自治体の長は水安全の最大の責任者であり、問題が発生した場合はトップが真っ先に責任を問われる。ゆえに日本の県知事と市長は、水資源の管理と水の安全な飲用を、最も重要な取り組みの一つとしている。彼らは定期的に自ら現場を視察し、河川、湖沼、ダム、水処理施設をチェックし、水の安全を保障する。1960年代中頃、大阪工業団地に隣接する某市で水質汚染が発生した際、市長は議会から弾劾され、引責辞任した。
自治体の長は「クビ」がかかっているため、水質問題を軽視できない。特に水汚染を起こしやすい企業や工場は、各級地方政府の厳しい監督の対象になりやすい。専門的な機構を設立し定期点検するほか、民間組織を立ち上げ企業の行為を監督している。1970年代、三重県の某社の排水設備が老朽化し、周辺の水質汚染を起こした。現地の政府は裁判所に提訴し、重罰を求めた。裁判所は高額の罰金を科し、この企業は閉鎖を余儀なくされた。この事件は日本企業に警鐘を鳴らし、その後は同じような汚染事件が発生しなくなった。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月25日