「ネコを飼うネズミ」—この素朴な本は豪華な装丁も大げさな推薦文もないが、よく見ると可愛らしい挿絵にゆったりとした文字の配置、ピンイン(ふりがなに当たる)表記などに低年齢の読者への配慮が感じられる。著者は熟練したストーリーテイラーで、独特の軽快さとユーモアに子どもらしい幻想が一体となっている。キャットフードのイメージキャラクター、ネコの張猫猫はネズミの米粒とイヌの淘淘に出会うが、ネコはネズミを食べないだけでなく、不思議なことによい友達どうしとなる。そう、こうしたロマンチックな伝統こそ童話の理想だ。ファンタジーの世界や現実の世界にどれほどどうしようもない事実が存在するにしても、最終的には子供たちに対して「それから、彼らはずっと幸せに暮らしましたとさ」と話してあげなければならないのだ。信じることで、初めて実現することもある。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年4月25日