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【独占取材】莫言小説の翻訳者・吉田富夫氏(7)

村上春樹氏

 中日関係における文学の特別な役割

 人民網:中国における日本の文学作品の浸透度は日本における中国文学のそれに比べると高い。両国の文学交流の現状をどうみるか

 これはなんともいえない。国情も違うし、読者数も異なる。人口は中国が13億人で、日本は1億3千万人しかいないが、読者数は恐らく日本の方が多い。日本では電車の中で本を読む人も多い。もちろん読んでいる本の質が高いとは限らないが、それでも本が好きであることに違いはない。中国は今のところまだこうした習慣は定着していない。これは一種の社会現象である。

 日本人の読書好きは江戸時代から始まった。江戸時代の260年間で、商品経済が徐々に発達したことを背景として、読書の習慣が生まれた。この習慣は、後に明治時代や現代まで続き、長い歴史がある。

 日本社会は歴史的に戦乱が比較的少なかったが、中国は異なる。さまざまな理由があるが、外敵からの攻撃や内戦などで戦乱時期が長く、安定した時期は短い。清朝末期以降で安定していた時期といえば、改革開放以降の30年間だけ。中華民国の時期には絶えず戦争が起こり、毛沢東の時代には政治的な事情があった。これは歴史がもたらした不幸である。

 人民網:文学は中日関係にどのような役割を果たしているか?

 文学は非常に重要な役割を果たしている。しかし、影響は比較的狭い範囲に限られ、映画やドラマほど広範囲に及ばない。文学が推進力となる前提として、人々が本を多く読むことが条件になる。人々が本を読まなければ影響力なんて及ぶはずがない。文学には人間の心に深く入り込むという特殊な力がある。例えば魯迅の作品は日本の知識層にずっと影響を与え続けている。魯迅の作品を読んだことのある日本人は多いとは限らないが、読んだ人の心に深く影響を与え、社会に大きな影響を及ぼしている。(編集MZ)

 「人民網日本語版」2012年11月27日


 

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