日本芸術家のグループ展「平行的極東世界」、成都で開催 (2)
■パラレルを語る
「アジア文化は和して同ぜず」と語る金島氏。今回のグループ展は主に日本文化の多様性を反映させたという。名和晃平氏の「Direction(ダイレクション)」シリーズは、斜めにしたキャンバスに絵具をゆっくりと垂らし込み、自重のみでストライプを描いた新作ペインティング作品で、強烈な視覚的インパクトがある。日本の伝統的な昔話をテーマにすることが得意な平良美樹は書の伝統を用いて立体作品を制作した。
「それぞれの芸術家は違った作品や表現形式を通し、異なる世界を展示する。それが一緒に合わさることで我々それぞれが見ているパラレルの世界が形成される」。金島氏の目には、アジア文化はまさに「和して同ぜず」の芸術グループとして映っている。
■成都を語る
アジアアートグループ展の開催地に成都を選んだのは、条件に恵まれたこの地特有のアートの雰囲気を気に入ったからだという。「成都では未来の可能性を見ることができる」と金島氏。
成都が持つ悠久の歴史と伝統文化は金島氏に深い印象を与えた。金島氏の言葉を借りれば、成都は「文化的な感覚にあふれた都市」という。「中国の多くの都市に行ったことがあるが、どこの都市のリズムも速すぎて、基本的に芸術を味わう余裕がない。大都市に至っては、アート市場はすでに飽和状態で、さらなる飛躍は難しい。一方、成都の雰囲気はアートにぴったり。この都市は許容性が高く、異なるアート形態への理解や受容程度がほかの都市よりもずっと高い」。(編集MZ)
「人民網日本語版」2012年12月6日