中国人を呼び込む「医療滞在ビザ」 2年間で効果薄
中国人を主体としたアジアの富裕層を呼び込む日本の「新成長戦略」の一環として、日本政府は2010年12月に外国人のために新たに「医療滞在ビザ」を創設することを決議した。「医療滞在ビザ」の創設は、日本に訪れる外国人患者数を増加させ、日本の滞在期間を延ばすことを意図したものだ。しかしながら、創設から2年余りたった現在、大規模に宣伝していた「医療観光」の戦略を支持する声は徐々に弱まり、日本の病院も、外国人患者に興味を持っていないのが一般的だ。「中文導報」が伝えた。
昨年7月、日本の厚生労働省が打ち出した「外国人患者受入れ医療機関認証制度」は、半年が過ぎてもわずか3つの医療機関しか申請しておらず、しかもいずれも申請が通っていない。その理由について、ある病院は「認証されると、病院にとってどんな利益があるのかわからない」と語る。また別の病院では「認証費用は60万円もかかる上、病院に外国語の掲示板などを掲げる必要性が感じられない。診療費の収益から見ても、メリットが感じられない」と率直に語る。
日本は2011年の初めに、日本で治療を行う中国人を呼び込むため、創設した「医療滞在ビザ」についての大規模な宣伝を中国で行った。宣伝によると、「医療滞在ビザ」には多くの利便性があるという。まず、ビザの有効期限は最長で3年にも上り、毎回日本に滞在できる期間も半年と長い。もし毎回の滞在が90日以内であることがわかれば、有効期限以内であれば自由に日本との間を往来できる。ところが、2011年3月11日に起こった東日本大震災の影響で、この計画も一時据置された。
実際、日本で治療することを希望している中国人も少なくないが、ほとんどの人が事情をよく理解しておらず、日本に行った後、日本の医療機関で中国語によるサービスがないことや医療中トラブルが発生したときに法律上の保証がないことなどを心配したり、手続きの煩雑さを嫌いあきらめたりする場合が多い。
「医療滞在ビザ」を申請する人は、日本の国際医療交流コーディネーターもしくは旅行会社などの機関の身元保証を受ける必要がある。査証申請者はまず身元保証をしてくれる機構と連絡を取り、その後、保証機構から日本の医療機関に連絡を入れてもらい、医療機関が提出する予定説明書や保証書を入手する手順となる。査証申請の際、保証書を提出する以外に、経済能力を保証する書類も提出することが求められる。もし90日以上滞在する場合は、査証申請者が入院する予定の日本の医療機関の職員や日本滞在の親戚などに代理人となってもらい、日本の法務省入国管理局で「在留資格認定証明書」を交付してもらわなければいけない。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年2月20日