「90後(90年代生まれ)」の彼は農村出身で、高校は卒業していない。テレビ販売を営み、都会で自立する人生を確立していた。だが彼には、世界を旅する心が芽生えた。1台の自転車、50キロの荷物、そして5万元を手に、足掛け1年半、アジア・アフリカ18カ国を旅した。来年、彼は欧州10カ国へ再び旅立つ。楊懐勇さん(23)の果敢に夢を追う物語だ。華西都市報が伝えた。
■ドキュメンタリー番組に心動かされて
「テレビ販売をしていた頃、映していたのはすべてBBCドキュメンタリー『アニマルプラネット』でした。毎日眺めているうちに、無性に行きたくなった。自分の目で確かめたくなりました」。楊さんの世界一周の夢ははじまった。
出発前に英語を2カ月学んだ。「最初は英語の本4冊を持っていたが、重すぎて捨てました」。旅行中に各国の自転車乗りに出会った、と楊さん。カタコトの英語で交流するうち、次第に会話がとても上達したという。
■日本人女性と中国の春節を約束
1年半の旅行中、多くの友人ができた。エジプト・カイロでユースホステルに泊まった際、日本人女性ヒッチハイカー、ハナさんと知り合った。楊さんの影響で、ハナさんも自転車で旅することにした。「カイロで自転車や装備の選択を手伝いました。思ってもいなかったのですが、自転車に乗って出発初日、カイロから70キロの場所で彼女はトラックに衝突、無事だったのですが自転車がひどく壊れてしまった」。ハプニングで出鼻をくじかれた二人は日程を急きょ変更した。楊さんはハナさんを現地の人の家に預け、壊れた自転車をカイロまでに持っていって修理した。彼とハナさんの旅は3カ月間、エジプトからケニアまでつづいた。来年の春節は、ハナさんは楊さんの実家で年越しをする予定だ。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年12月30日