2014年4月1日  
 

中国の夢健康知恵袋 企画集 日本からニイハオ!

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野島剛氏、日本人が探り当てた「知られざる故宮の物語」  (2)

 2014年04月01日13:11
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 ■中国人が文物に託した期待と理想

 ---- 外国メディアの記者はある切り口を通して、目にした現代中国の変化や、自分の感じたことを表現しようとしている。あなたが伝えようとした現在の中国はどんなものか?

 故宮というテーマを通して現代中国人の文物に託した期待や理想を描きたいと思った。取材の過程で、文物を取り戻そうとする現象が、中国人の民族感情や祖国の強大・発展を誇りに思う感覚と明らかに大きな関わりがあることを発見したからだ。人は食事や着る物といった最低限の生活が確保された後は、心の中の満足感を探し始めるようになる。これは、中華民族の精神の象徴となった文物を自国に取り戻したいという感情に見て取れる。また、いくらコストがかかろうが、国際オークションで価格を高騰させて取引中止にさせようが、円明園十二生肖銅獣首をなんとか取り戻そうとした一件が最も代表的な一例だ。これは外国人にはあまり理解できないことだ。私自身も後に取材を重ねていく上で、中国人の民族感情と文物が関係あることを徐々に気付いていった。

 ■中日間で異なる「文物に魂がある」の感じ方

 ---- 文中にある、「日本から海外に流出した文物も少なくないが、日本人には中国人と同じような信念はないようだ」という記述が興味深かった。

 近年、日本で米国ボストン美術館が所蔵する膨大な日本の文物を展示した大規模展覧会が開催され、非常に多くの日本人が見に行った。これらの文物は、日本の明治時代に、日本の文物が非常に安いことに気付いた外国人が大量に買占めて米国に持ち帰ったものだ。これらは非常に貴重なもので、一部の文物はすでに日本では見ることができない。しかし、日本でこのような展覧会が行われたことで、その時代の日本人を批判したり、悲しむ人がいたり、あるいは、これらの文物を取り戻せと声を上げたりする人がいるのではないかと思ったが、全くそんなことはなく、みんな非常に喜んで展覧会を見に行った。なぜなら、日本人は文物が好きで、重視しているものの、文物と民族の魂とを結びつけることはないからだ。文物は文物。宝物は宝物。なければ仕方ないし、生命や民族の命運とは関係がない。しかし、中国人は文物には魂があると思っている。この感覚は日本人にはないものだ。

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