中独が協力し、手を携えて共に歩むことが習近平国家主席のドイツ訪問のテーマとなった。世界の二大貿易国、経済国である中独両国には、双方間のこれまでの協力の成果を誇りに思い、今後の協力に新局面を切り開くことに大きな自信を抱くに十分な理由がある。(文:崔洪建・中国国際問題研究所欧洲部主任。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
一方、中日関係は政治も経済も依然冷え込んでおり、中独関係とは鮮明なコントラストを成している。われわれの隣国とドイツは似た歴史的経歴を持つが、その歴史観と道徳観は全く異なる。これが今日中独が向き合って前進する一方で、中日は次第に遠ざかっているという大きな違いをもたらした歴史的、心理的な根本原因だ。
第2次大戦での敗戦という歴史的現実とその後の転換を受け入れることは、かつて誇りに満ちていたドイツ民族にとっては骨髄に徹する苦痛だった。だがこの苦痛と引き換えに仏独和解と欧州大陸の持続的平和、そしてそれ以上にドイツ民族の再生が得られたのだ。ドイツ連邦共和国のブラント首相(当時)がユダヤ人墓地で跪いた時、ドイツ民族全体が再起し始め、中国を含む全世界の人々の尊敬を勝ち取ったのだ。今日、ドイツの町の至る処に、第2次大戦の被害者への追悼と懺悔の意を表する旧跡、標識、説明がある。歴史上の事実の尊重と自らの行為に対する省察は、法律、教育、世論を通じて、全ての世代のドイツ人にとって精神的な必修科目となっている。