日本では23日は天皇誕生日で祝日だった。だが韓国を「助ける」ために、菅義偉官房長官、岸田文雄外相、小野寺五典防衛相、安倍首相は休みを返上して、12月4日に新設された国家安全保障会議(NSC)初の「4大臣会合」を首相官邸で開き、銃弾1万発の韓国側への提供を決定したうえ、同日中に引き渡した。戦後の日本の内閣は衆議制で、首相は内閣の総招集者に過ぎず、重要問題の決定時には閣僚の一致した同意を必要とする。今回韓国側に提供した物資(弾薬)は事実上武器の性質を備えており、PKO協力法の改正に関わる。手続き上は、まず閣議を招集し、全閣僚の一致した同意を経て新たな法案を作成し、国会に上程し、可決されて初めて執行できるようになる。だが今回安倍内閣は全ての手続きを完全に省き、少し前に可決した「国家安全保障会議設置法」に基づき、国家安全保障会議の4人体制の決定機関によって最終決定し、実行に移した。対応全体に1日しかかからなかった。
第2に、韓国側は結果の予測が不十分で、対応が混乱した。
今回の「銃弾」提供についての日本側の説明は冒頭で述べたように「事態の緊急性と人道面的観点から、韓国側部隊の要請に応じた」(菅義偉官房長官の25日の記者会見)というものだ。この説明を裏付けるため、テレビ局は小野寺防衛相と南スーダン前線の自衛隊司令官とのテレビ会談をわざわざ放送。井川賢一1等陸佐は緊急事態で弾薬が不足しているとして韓国側から要請があったこと、弾薬引き渡し後にわざわざ電話で感謝の意が伝えられたことを証言した。だが、韓国側の説明はこれと大きく食い違う。韓国国防省は24日の談話で「現地の事態は平穏であり、韓国軍は緊急事態に置かれておらず、弾薬不足の問題もない。国連から弾薬を借用したのは万が一に備えてだ」と発表。韓国外務省も同日「今回の弾薬支援は国連からのものであり、これについて評価は行わない」と表明した。韓国側は一体、直接日本側に弾薬支援を要請したのか、しなかったのか?双方の発言を聞くと判断は難しい。一つ確かなのは、韓国側は日本側が今回の件を利用することを望んでいないが、日本側はその反対だということだ。
今回の弾薬提供について、朝日新聞と産経新聞は25日付で各々社説を掲載した。両社説からは、この件に対する日本社会の全く異なる2つの見解が見てとれる。