「『雷鋒に学ぶ』に現実的意義あり」67.2% 中国7都市で調査 (2)
■回答者の半数「見知らぬ人が困っていたら援助する」
回答者の41.8%は、「見知らぬ人に援助を申し出たが、断られた」経験があった。「見知らぬ人が困っている時、援助を申し出ますか?」との問いに対し、「援助を申し出る」と答えた人は49.3%、このうち、「迷わず手助けする」とした人は9.5%、「半信半疑だがとりあえず声をかける」は39.8%だった。「声をかける気持ちはあるが、騙されないか心配」は20.4%、「状況で判断する」は24.3%。「声をかけずそのまま立ち去る」は4.1%にとどまった。
「過剰な防衛心が働くあまりに、見知らぬ者同士が知らんぷりしたままであれば、どのような結果を招くと考えられるか?」との問いに対し、69.5%の人は、「人情がますます薄くなり、挙句の果てには、『街頭でお年寄りがつまづいて転んでも、誰も助け起こさない』といった奇妙な社会現象が起こるだろう」と答えた。また、「調和の取れたまともな人間関係に異常をきたすことになる」と考える人は63.7%だった。
■信頼関係の再構築に前向きに取り組むべき
中国人民大学公共管理学院の張康之・教授は、今重点を置くべきことは、信頼関係を積極的に再構築することだと指摘した。張教授は、「工業社会における人間関係は、主にルールを介して築かれる。この際に必要なのは、『契約型信頼関係』を確立すること、つまり、関連法律制度の建設を強化することだ。制度という後ろ盾がなければ、『雷鋒に学ぶ』風潮は、一時的なブームに終わってしまう恐れがある」との見方を示した。
当然のことながら、社会の成熟は、国民一人一人の貢献なしでは達成し得ない。お互いの信頼関係が強まり、他人と自分の両方に利益がもたらされてこそ、調和のとれた社会発展が実現する。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年3月5日