「『雷鋒に学ぶ』に現実的意義あり」67.2% 中国7都市で調査
中国社会科学院はこのほど、全国7都市の住民を対象とした調査の報告書を発表した。これによると、「他人を信じない」人は7割を上回った。3月5日は「雷鋒に学ぶ日」だ。我々は、雷鋒精神を学び、提唱する一方で、現実社会における「人助け」が、「他人同士の信頼関係」という問題に絡み、いくつかの壁にぶつかっている現状を再認識することとなった。中国青年報が報じた。
「見知らぬ他人への信頼度が低下したと思いますか」という質問を1万364人に対して行ったところ、「『他人を信じない』人は7割を超える」との見方に賛同する人は、全体の82.6%を占めた。また、69.2%の人が、「詐欺やペテンが社会全体に横行していることが、他人を信じない人を増やす主な原因だ」と考えていた。「他人を信じない人が増えている状況で、雷鋒精神を学ぶことは現実的に意義がある」と評価した人は67.2%に達した。
■「他人への不信」増加の原因は詐欺やペテンの横行
今回の調査において、「『他人を信じない』人は7割を超える」という社会科学院の見解に賛同する人は、全体の82.6%に達した。
人と人との信頼関係を薄くする原因について、「詐欺やペテンが、社会全体の信頼度を引き下げた(69.2%)」「誠実・信用が欠落していることで、人々の警戒感が高まった(66.1%)」「社会全体の物質的欲望が高まり、人々が自分の利益しか省みなくなった(57%)」などの意見が多かった。また、「法律法規が完備されておらず、信頼失墜による代償が少ない(42.8%)」「伝統的な倫理観が薄くなり、仁・義・礼・智・信という5常の徳(道徳倫理)があまねく軽視されている(39.6%)」「現代化・都市化プロセスが進み、『知り合い同士の社会』から『見知らぬ人同士の社会』にシフトしている(32.9%)」「南京彭宇事件(中国の道徳崩壊の象徴とされる事件)などの社会事件が、人々の『他人を信じる心』にダメージを与えた(24.8%)」「文化大革命中の数々の政治運動が、人々の『他人を信じる心』の基盤を打ち砕いた(17.1%)」などの意見も挙がった。
調査によると、自分自身が困難に直面した時、20.1%の人は、「その人を信じられないため、援助の申し出を断る」と答え、一方、「援助の申し出を受ける」とした人は19.6%だった。「状況による」と答えた人は54.6%に上った。