日本発祥の「五月病」、中国のネット上でも固有名詞化 (3)
ネットユーザーが言うところの「季節性怠惰症候群」は、医学的な専門用語ではないが、類似した病気に「季節性うつ病」がある。実のところ、臨床的に見ても、毎年この季節がめぐって来ると、感情の乱高下が生じる人が増える。5月は、春から夏への変わり目で、人の新陳代謝が活発になることから、内分泌系のバランスが崩れやすく、情緒が不安定になっても不思議ではない。また、1年の折り返し地点が近づき、一部の業界では、長時間に及ぶハードワークを余儀なくされ、疲れが出やすい時期でもある。年間目標の達成が難しい状況であることが判明すると、経営者側からもっとしっかり働くよう発破をかけられ、つい焦りの気持ちが生じてしまう。「春困秋乏(春は眠く、秋は気だるい)」とは広く言い伝えられているが、実は、「春は眠たくなる」のは、人の生理学的な自己調整機能のひとつなのだ。また、5月は、大学受験や就職を控え焦りが出る時期であることから、「五月病」を患う学生がかなり多い。ネット上の情報から「五月病」にかかったと信じるネットユーザ?も多い。代表的な症状について、自分にぴったり当てはまると納得してしまうのだ。実のところ、このような反応は、病気ではなく正常な範囲内にある。例えば、イライラや焦りなどの気持ちが出てきた時、これは季節の変わり目ゆえに起こる感情の起伏なのだと自覚し、決して過度に気にしないことが大切だ。
春には、とりわけ仕事と休憩のバランスに注意し、仕事に集中する時間やスピードをしっかりと自分で把握し、必要であれば仕事の量を適宜減らし、外に出る機会を増やした方が良い。天気の良い日を選んで戸外に出かけ、気ままに散歩する、ちょっと山歩きをする、サイクリングを楽しむなど、春の大自然が運んでくる生命力を十分に感じれば、自分の日常生活にも、美しさや楽しさがもたらされるだろう。また、ちょっと息が切れる程度の運動をして気持の良い汗をかけば、マイナス気分も吹っ飛ぶに違いない。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年5月24日