中高一貫校で軍隊階級制を導入 河北邯鄲 (2)
▽学校「学生の意欲を高めることが目的」
留村中学は、全校生徒わずか800人の小さな学校だ。同校の平献超校長は29日午前、「本校は、確かに『軍隊階級称号制』という昇級制管理方式を導入している。生徒の積極性や学習意欲を高めることがその目的だ」と語った。
平校長は、「学校は、紀律・衛生・学習など、さまざまな面から学生を評価し、『マナー・紀律を守る小模範兵』『熱心に学習する小先鋒』『環境保護に努める小護衛』などの勲章や総合勲章を授与する。どのような分野であれ、進歩が見られる、あるいは自分の取り組んでいる課題に関して積極的に表現する、などが認められた場合は、その生徒に勲章を授与し、奨励する」と説明した。また、「勲章を10枚集めると、兵士の称号が与えられる。規定によると、10枚で兵士、20枚で少尉、30枚で上尉、40枚で中佐、50枚で大佐、60枚で中将、そして70枚で上将になれる。中将と上将になった生徒には、リモコン飛行機やリモコン自動車などの商品が学校からプレゼントされる」と続けた。
平校長は、「同校ではこれまで、懲罰を中心とした管理方式を採用してきた。しかし、階級昇進方式を採り入れた後は、一つの分野に留まらず、他の分野にも生徒たちの学びが広がりつつある」とその利点を指摘した。今年9月の実施スタート以来、その効果は上々で、現在では、生徒の多くは「兵士」の身分を得ているという。
▽専門家「上将が最終目的」は好ましくない
有名な教育学者である熊丙奇博士は4日、「軍隊階級制度は『緑のネッカチーフ』教育の変形バージョンだ」というネットユーザーの懸念について、「これは、教育の本質に背くやり方だ。学校がこの方法を採り入れた初志が何であろうと、実際に生徒を様々な階級に分けることで、生徒の頭には『階級意識』という観念が植え付けられる」との見方を示した。
河北辰昊心理カウンセリングセンターの張偉旗主任は、「児童心理の観点から見た場合、このような奨励方式は、理性的に扱うべきだ」と指摘した。
張主任は「生徒に対する奨励方式は、それを実施するプロセスで、さじ加減をしっかりとつかむことが肝要だ。また、このようなやり方は、厳格なルールが伴って初めて効果が現れる。評価する物差しがお粗末であれば、『上将』のポストを得ることだけが生徒の最終目的となってしまう。それでは、階級制導入の初志から遠く離れてしまう」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年11月6日